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文献詳細

雑誌文献

病院65巻6号

2006年06月発行

文献概要

連載 病院管理フォーラム ■栄養管理 高知医療センター・4

栄養局の取り組み―臨床栄養管理

著者: 河合洋見1

所属機関: 1高知県・高知市病院企業団立高知医療センター

ページ範囲:P.496 - P.499

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 栄養管理はすべての医療の基本である.しかし,入院患者さんの中には,PEM(Protein Energy Malnutrition :たんぱく質,エネルギー不足による栄養不良)状態の方が,約 40 %いると考えられていて,入院患者さんの栄養不良が大きな問題となっている1).栄養状態の悪化をもたらす要因は,①栄養素の不適切な摂取,②栄養素の消化・吸収の障害,③栄養素の利用効率の低下,④栄養素の損失の増大,⑤栄養素の必要量の増大,⑥疾病による栄養素の代謝障害などがある.また,栄養不良の弊害として,①患者さんの QOL の低下,②入院日数が長期化する,③再入院率が高くなる,④医療費が増大するなどが考えられている.また一方では,糖尿病や高血圧,あるいは,高脂血症などの生活習慣病が増え続けていることから,疾病の予防・治療における栄養(食事)療法の重要性が認識されてきた.

 従来,病院食は集団給食として位置づけられており,その栄養管理は献立管理を中心とした荷重平均の提供栄養量で判断されていた.しかし,これからの栄養管理は,患者さん一人ひとりに対する栄養評価であり,人間栄養学の側面から取り組むことが重要である.すなわち,提供時の栄養管理ではなく,結果からみた栄養管理へと方向転換することが必要であるといえる.

参考文献

1) 小山秀夫,杉山みち子:病院内栄養管理の質が医療経済に及ぼす影響.社会保険旬報 2056:12-17,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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