文献詳細
文献概要
連載 ヘルスケア環境の色彩・照明・1【新連載】
色彩1 自己治癒力を高める色
著者: 梅澤ひとみ1
所属機関: 1桑沢デザイン研究所
ページ範囲:P.6 - P.7
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“五感を刺激して自己治癒力を高める”―昨今医療福祉施設の設計コンセプトでよくお目にかかる言葉である.しかし考えてみると日常“五感を刺激しなくては”などと意識して生活することはほとんどない.オフィスでも家庭でも様々な刺激に囲まれて生活し,たまにはそこから逃れたいと思っているのではないだろうか.
ところが病院のような刺激を制御した空間の中に長時間拘束されると,環境ストレスは増大する.いい香りも悪臭もカット,空調の風以外感じることはなく,気密性の高い高層の窓からは光の移ろいぐらいしかわからない.イヤホンを通す以外の音は限られ,それゆえに看護師の廊下を歩く音や冷蔵庫などの雑音さえ気になるぐらい静寂である.このように感覚遮断に近い状態では生きる意欲も奪われ回復が遅くなるという研究結果もあり,インテリアの中に五感を刺激する要素を取り込むことが重要視されるようになってきている.
“五感を刺激して自己治癒力を高める”―昨今医療福祉施設の設計コンセプトでよくお目にかかる言葉である.しかし考えてみると日常“五感を刺激しなくては”などと意識して生活することはほとんどない.オフィスでも家庭でも様々な刺激に囲まれて生活し,たまにはそこから逃れたいと思っているのではないだろうか.
ところが病院のような刺激を制御した空間の中に長時間拘束されると,環境ストレスは増大する.いい香りも悪臭もカット,空調の風以外感じることはなく,気密性の高い高層の窓からは光の移ろいぐらいしかわからない.イヤホンを通す以外の音は限られ,それゆえに看護師の廊下を歩く音や冷蔵庫などの雑音さえ気になるぐらい静寂である.このように感覚遮断に近い状態では生きる意欲も奪われ回復が遅くなるという研究結果もあり,インテリアの中に五感を刺激する要素を取り込むことが重要視されるようになってきている.
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