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連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第144回
最近の米国医療施設とIHN
著者: 山下哲郎1
所属機関: 1名古屋大学大学院工学研究科
ページ範囲:P.88 - P.94
文献購入ページに移動しかし,そうしたわが国の医療施設関係者の興味の移り変わりを他所に,米国では新たな動きが広がっていた.それが IHN(Integrated Healthcare Network )であり,松山幸弘氏((株)富士通総研)の活動によりわが国でも広く知られるようになったシステムである.これは,ある医療圏の中で複数の医療機関や福祉施設,これと関連する各種の保険関連団体,医療福祉関連サービス供給企業,医薬品・医療材料などの提供企業,エネルギー供給企業,情報関連企業などが経営統合し,ネットワークを形成することで,地域住民が求める医療や介護サービスを計画的かつ効率的に提供しようとする試みである.わが国では今,赤字に苦しむ自治体などの公的病院も多く,またこれらが民間に売却されることも少なくないが,こうした状況を変革してゆく一つの策として,IHN は非常に参考になるシステムではないか,と考えている.
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