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文献詳細

雑誌文献

病院66巻10号

2007年10月発行

文献概要

連載 医療動向フォーラム ■「患者さま」を考える・後

脱「患者さま」に向けて

著者: 松尾佳津子 田原孝1

所属機関: 1日本福祉大学

ページ範囲:P.874 - P.875

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●〈姓+さま〉という呼び方

1.「患者さま」は誤解から?

 「患者さま」ということばの問題を論じる際,峻別すべき観点は,「患者」という語に付ける敬称を議論したいのか,「患者の固有名詞」につける敬称を議論したいのか,という点だ.

 前回に論じたように,筆者は「患者さま」という語の存在に懐疑的な立場であるが,そもそもこの「患者さま」ということばが,誤解によって医療従事者に意識され始めたのではないかという,次のような指摘はたいへん説得力がある.


「患者様」という表現は,1990年代後半に,民間病院で始まり,「医療もサービス業」という経営コンサルタントらの意見もあって徐々に拡大.2001年に厚生労働省が指針で,「患者の呼称は,原則として姓(名)に『様』を付ける」ことを当時の国立病院に求めたことで一気に広まったようだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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