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文献詳細

雑誌文献

病院66巻12号

2007年12月発行

文献概要

特集 病院におけるIT化の新局面 【医療のIT化 最近の事例集】

患者に渡すCD―IHE PDIや厚生労働省電子的情報交換推進事業(SS-MIX)

著者: 木村通男1

所属機関: 1浜松医科大学医療情報部

ページ範囲:P.1026 - P.1031

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 従来,紹介などにおける画像の提供はフィルムで行われてきたが,最近は画像標準の浸透とMDCT(マルチスライスCT)の普及に伴い,CDで提供されるケースが増えている.しかし一方で,閲覧に特定ブラウザをインストールする必要があったり,データ形式にブレがあったり,数百スライスあるにもかかわらず,画像が取捨選択されていなかったりと,受け取り側への配慮を欠くケースが増えている.写真は実際連携部に寄せられる画像CDである.手書きのCDを病院ネットワークにつながったHIS(Hospital Information System)端末に入れるのは,勇気が必要であろう.

 一方,2006年6月に,厚生労働省(以下,厚労省)医政局から,標準的形式であれば各種書類を電子化して差し支えなく,患者の求めがある場合,診断書と同様に診療情報(画像含む)を提供することで,明記された代金を徴収してもよい,という通知が出た.これに続き,もともと静岡県版電子カルテとして開発されてきた電子紹介状・患者への診療情報提供のサブシステムが改良されて,厚生労働省電子的診療情報交換推進事業(SS-MIX)として全国で利用できることとなった.

 本稿では,患者への情報提供のあり方について私見を述べるとともに,上記の推進事業について概説する.

参考文献

1)IHEのインテグレーションプロファイルはIHEのHPから入手できる. http://www.ihe.net/Resources/ihe_integration_profiles.cfm
2)日本IHE 協会HP http://www.ihe-j.org/
3)木村通男:静岡県版電子カルテ―静岡県から全国へ 医療の透明性確保と標準化基盤の整備,新医療7月号:68-73,2006
4)書面に代えて電磁的記録により作成,縦覧等又は交付等を行うことができる医療分野に係る文書等について,医政発第0622010号,厚生労働省医政局長通知,2006
5)豊田建:患者へ提供するための診療情報標準化,新医療8月号:171-176,2006
6)厚生労働省標準的電子カルテ推進委員会最終報告書,2005(新医療2005年7月号75-78に採録)
7)木村通男:SS-MIX:厚生労働省電子的診療情報交換推進事業,第26回医療情報学連合来会論文集:135-137,2006
8)http://www.hci-bc.com/ss-mix/

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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