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連載 職場のメンタルヘルス・9
働き甲斐の実現―事務長の人間関係
著者: 武藤清栄1 村上章子1
所属機関: 1東京メンタルヘルス・アカデミー
ページ範囲:P.1046 - P.1051
文献購入ページに移動まず1つ目は,働く人たちが職場で必要とされたり,認められていると思えることである.2つ目は,自分の意見や気持ちを気兼ねなく表明できること,場合によっては悩みも相談できることである.3つ目は労働条件である.給料をはじめ,労働環境,休日,厚生施設などに恵まれていることである.しかし今,職場では給料に格差が生じたり,長時間労働を強いられたり,責任を取らされることが多い.特に病院の労働環境は厳しいものがある.世界の主な先進国における長時間労働者の比率を見ても,日本の労働者たちは,いかに過酷な労働条件を強いられているかがわかる1).厚生労働省の統計によると,過重労働,特に時間外労働が月に100時間以上になっている人たちは,脳血管疾患,虚血性心疾患,うつ病,自殺などの健康障害が高いというデータがあり,休息や睡眠時間が十分に取れないという裏付けもある.こうしたことから,最近ではどこの職場でも「ワークライフバランス」ということが言われるようになった.いわゆる仕事と生活の調和であり,これによって労働意欲と生活の充足を図るという狙いがある.
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