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文献詳細

雑誌文献

病院66巻2号

2007年02月発行

文献概要

連載 病院管理フォーラム ■看護マネジメントの実践

患者の意思決定を組織で支えるために―看護師の専門教育として自己決定支援コースを設立して・後編

著者: 江口恵子1

所属機関: 1霧島市立医師会医療センター看護

ページ範囲:P.171 - P.174

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●自己決定支援コースを受講して,看護師はどのように変化したか

 1年目の研修が終了した段階で,研修生は自身の患者との関わりを物語風に書いたものを利用し,その援助過程を研修で学んだことも踏まえて自己決定支援についてどのように思うか,という点から事例検討を行った.その検討の中で,患者の権利や自己決定権などを意識して援助することができるようになったという意見のほか,できる限り第三者的な立場で中立に関わろうとするが,医療者の立場で話してしまうことが多く,中立的に関わることの難しさを感じたという意見が多く聞かれた.しかし,このことは,これまでは意識しないでいたことが,意識化され,どうすれば患者の意思決定を支援することができるか検討しながら関わることができるようになったということである.日常の看護場面でも,医師との会話の中でも,患者の意向について話し合い相談することが多く行われるようになってきている.

参考文献

1)清水哲郎:医療現場に臨む哲学―ことばに与る私たち,勁草書房,2000
2)前田正一:インフォームドコンセントの原則,医療事故・苦情対応研究会,2006
3)リア L.カーティン:アドボケイトとしての看護師:患者を人として尊重すること,INR 26(5):34-38,2003
4)野口裕二:物語としてのケア―ナラティブ・アプローチへの世界,医学書院,2002
5)トラベルビー著,長谷川浩・他訳:人間対人間の看護,医学書院,1974
6)M.A.ニューマン著,手島恵訳:マーガレット・ニューマン看護論―拡張する意識としての健康,医学書院,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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