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連載 今,なぜ医療経営学を学ぶのか 基本からわかる医療経営学・10
医療サービスと患者満足の本質
著者: 島津望1
所属機関: 1上智大学総合人間科学部
ページ範囲:P.244 - P.247
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かなり前の話になりますが,平成7年版の厚生白書で,初めて,医療についてサービスという視点から議論がなされました1).この白書でサービスということを議論した背景には,次のようなことがあると考えられます.
この頃,消費生活の質の向上に伴って,生活場面では消費者優位あるいは消費者の意見が反映される仕組みが整っていましたし,サービス化の進展によって,国民はサービスとしての商品に接する機会も増えていました.企業では,競争優位のために,サービスの品質を上げることが競って行われていました.国民の多くは,そのようなサービスを利用する環境に慣れ親しんできました.しかし医療に関しては,必ずしもそのような状況になかったという反省が,この白書で医療をサービスとして見ることになったのだと思います.
かなり前の話になりますが,平成7年版の厚生白書で,初めて,医療についてサービスという視点から議論がなされました1).この白書でサービスということを議論した背景には,次のようなことがあると考えられます.
この頃,消費生活の質の向上に伴って,生活場面では消費者優位あるいは消費者の意見が反映される仕組みが整っていましたし,サービス化の進展によって,国民はサービスとしての商品に接する機会も増えていました.企業では,競争優位のために,サービスの品質を上げることが競って行われていました.国民の多くは,そのようなサービスを利用する環境に慣れ親しんできました.しかし医療に関しては,必ずしもそのような状況になかったという反省が,この白書で医療をサービスとして見ることになったのだと思います.
参考文献
1)厚生省(監):厚生白書(平成 7 年版),ぎょうせい,1995
2)中島明彦:医療供給政策における政策過程の変容.医療経済研究,9:23-39,2001
3)広井良典:ケアを問いなおす,pp 102- 132 ,筑摩新書,1997
4)Gronroos C : Service Management and Marketing, Lexington Books, 1990
5)Donabedian A : “Evaluating the Quality of Medical Care”. Milbank Memorial Fund Quarterly 44 :166-206, 1966
6)Donabedian A : The Seven Pillars of Quality, Arch Pathal Lab Med 114(Nov) :1115-1118, 1990
7)アーサー・クラインマン:病いの語り,誠信書房 1996(Kleinman A : The Illness Narratives, Basic Books, 1988)
8)島津 望:医療の質と患者満足サービス・マーケティング・アプローチ.千倉書房,2005
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