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文献詳細

雑誌文献

病院66巻4号

2007年04月発行

文献概要

特集 変革に立ち向かう病院―病床削減と人材難に対処する

病床機能区分のゆくえ

著者: 濃沼信夫1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科

ページ範囲:P.302 - P.306

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病床区分は制度改革の柱

 昨年2006年6月に成立した医療制度改革関連法のねらいは,今後20年間にわたる医療財源と医療資源の持続性を確保することである.前者は財政破綻,後者は医療崩壊を回避するため,それぞれ健保法等改正,医療法等改正として改革の大枠を規定している.既に決まっている医療のルール変更は,2006年10月(高齢者自己負担引き上げ),2007年4月(社会医療法人の創設),2008年4月(新たな高齢者医療制度)など,さみだれ的に実施に移される.まだ決まっていない多くの具体的事項は,政省令等で今後定められることになる.これは,今回の改革の最終年である2025年まで,行政への働きかけ等を通じ,あるべきルール変更を実現する機会が少ないことを意味する.

 病床の機能に関わる改革で,既に明らかになっている方向は,健保法等改正における介護療養病床の廃止(2012年4月)と,第5次医療法改正における医療計画の見直し(2007年4月に基本方針)である.しかし,病床の機能に関わる事項は,この2つにとどまらない.後述のごとく,医療制度改革の各種施策のベクトルは,その多くが病床数適正化に向かっていると考えられる.病床数適正化という,今後四半世紀のメガトレンドにおいて,病床の機能区分のあり方が鋭く問われていると言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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