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連載 今,なぜ医療経営学を学ぶのか 基本からわかる医療経営学・11
医療における地域ネットワーク形成
著者: 島津望1
所属機関: 1上智大学総合人間科学部
ページ範囲:P.346 - P.349
文献購入ページに移動わが国におけるケアの供給体制が,変化しつつあります.その変化とは,人々の受ける医療や介護といったケアが,一つの病院や施設の中で完結される型から,在宅を基本として地域にある多様なケアの資源を使いながら行われる形に移行することです.つまり,今後のケア提供体制は,連携あるいはネットワークの仕組みを取り入れた形になると考えられます.連携とネットワークは,それぞれ別の概念だと思われますが,その点については最後に触れたいと思います.とりあえずは,一つの組織だけでケアを提供しているやり方が変わるということを確認しておきましょう.
次に,ケアの供給において,連携やネットワークが必要とされることの根拠を,ケア・サービスの特性から考えてみましょう.
なお,ここでいうケアとは,医療や福祉など個別のサービスの枠組みを超えて,人間の存在そのものに関わる問題を解決するために,専門的,対人的に提供されるサービスを指します.この連載は,医療経営学についてでありますが,いまや医療だけを取り出して語ることはできない時代になってきています.そこで,ここでは医療や介護をまとめてケアということで表現したいと思います.
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