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特集 どう対応する 医事紛争時代
「診療行為に関連した死亡の調査分析に係るモデル事業」における「紛争解決システム」
著者: 稲葉一人123
所属機関: 1姫路獨協大学法科大学院 2久留米大学医学部 3元大阪地方裁判所
ページ範囲:P.490 - P.494
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1.医療のリスクとリスクマネジメント
医療はリスクに満ちており,患者にリスクを加えて,健康を回復する(例えば,開腹手術をすることや本来異物である薬を投与することなど).同時に,患者は通常,疾患を有する「vulnerable(弱い)」人である.しかし,同じ薬でも患者によって効く・効かないがあり(医療の患者依存性),それらをすべて予測し(それは確率情報にすぎない),すべてに対処することは難しい(費用対効果の観点から).また,医療は人間の手による限り(人を interface としている),医療者には処置の「うまい」あるいは「下手」があり,その過程でミスが介在することを完全になくすことはできない(医療の医療提供者依存性).このようなリスクが顕在化すると医療事故となる.
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