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文献詳細

雑誌文献

病院66巻7号

2007年07月発行

文献概要

特集 患者負担のあり方を考える―フリーアクセスから選択責任へ

医療費の財源問題に関する考察―患者負担のあり方を考える

著者: 尾形裕也1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座

ページ範囲:P.542 - P.545

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はじめに―問題の所在

 公的皆保険制度を採用している日本における医療費の財源は,大別すれば,社会保険料,公費,患者負担ということになる.これらの財源は,いずれにせよ最終的には「国民の負担」であるということがよく言われる.最終的な負担の帰着という観点からは,確かにその通りであるが,こうした「国民全般」というとらえ方では,患者負担問題の本質を的確に把握することはできない.提供される医療サービスに対して,被保険者(保険料),一般国民(租税=公費),患者(患者負担)という各主体の関わりはそれぞれ異なっており,その負担の意味も異なっている.患者負担については,特に,医療サービスの直接的な受益者としての「受益者負担」という観点が重要である.本号の特集は「患者負担のあり方を考える」というテーマであるが,本稿においては,この問題について,主として医療費の財源問題という視点から,種々の考察を行うこととしたい注1)

参考文献

1)尾形裕也:日本における医療の規制改革と市場化の動向.季刊ナースアイ 18(3):6-17,2005
2)厚生省:21世紀の医療保険制度(厚生省案),1997
3)厚生省編:平成11年版厚生白書,ぎょうせい,1999
4)厚生労働省:医療制度構造改革試案,2005
5)Folland, Goodman, Stano:The Economics of Health and Health Care, fifth ed, Prentice-Hall, 2006
6)OECD:Towards High-Performing Health Systems, 2004,邦訳・阿萬哲也訳:世界の医療制度改革,明石書店,2005
7)OECD:Private Health Insurance in OECD Countries, OECD, Paris, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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