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特集 患者負担のあり方を考える―フリーアクセスから選択責任へ
医療費の財源問題に関する考察―患者負担のあり方を考える
著者: 尾形裕也1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座
ページ範囲:P.542 - P.545
文献購入ページに移動公的皆保険制度を採用している日本における医療費の財源は,大別すれば,社会保険料,公費,患者負担ということになる.これらの財源は,いずれにせよ最終的には「国民の負担」であるということがよく言われる.最終的な負担の帰着という観点からは,確かにその通りであるが,こうした「国民全般」というとらえ方では,患者負担問題の本質を的確に把握することはできない.提供される医療サービスに対して,被保険者(保険料),一般国民(租税=公費),患者(患者負担)という各主体の関わりはそれぞれ異なっており,その負担の意味も異なっている.患者負担については,特に,医療サービスの直接的な受益者としての「受益者負担」という観点が重要である.本号の特集は「患者負担のあり方を考える」というテーマであるが,本稿においては,この問題について,主として医療費の財源問題という視点から,種々の考察を行うこととしたい注1).
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