文献詳細
短期連載 医療過誤における民事・行政・刑事責任・1
文献概要
医療事故の法的責任において,刑事処分が突出する事態が進展している.そこで弁護士,臨床医,病院内の医療安全推進の職にある者,医療事故被害者の支援者およびジャーナリストなど多様な立場にある者が集まり,判決書を資料として過去の刑事医療過誤判決を吟味した.
事件の当事者から見れば,医療事故の現場を見ずに裁判を論じることにどれだけの意味があるかと思われようが,刑事責任は陳述され記述された犯罪の法的構成要件をもって論じられるものであり,それ以外の事実は顧慮されない.また,判決理由書は公開を義務づけられておらず,法学者によって法の運用・解釈の範とする目的で判例研究がなされることはあっても,多様な立場の者によって判決のロジックを吟味する機会はなかった.そこで,多様な視点から医療刑事裁判を吟味する価値は高いと考える.
事件の当事者から見れば,医療事故の現場を見ずに裁判を論じることにどれだけの意味があるかと思われようが,刑事責任は陳述され記述された犯罪の法的構成要件をもって論じられるものであり,それ以外の事実は顧慮されない.また,判決理由書は公開を義務づけられておらず,法学者によって法の運用・解釈の範とする目的で判例研究がなされることはあっても,多様な立場の者によって判決のロジックを吟味する機会はなかった.そこで,多様な視点から医療刑事裁判を吟味する価値は高いと考える.
参考文献
1)The AGREE Collaboration:Appraisal of Guidelines for Research & Evaluation(AGREE)Instrument
http://www.agreecollaboration.org
2)飯田英男:刑事医療過誤 II,判例タイムズ社,2006
3)畔柳達雄:医療事故に関連して発生する刑事処分と行政処分,ジュリスト,No.1323,2006
1)神谷惠子,山田奈美恵:医療過誤における民事・行政・刑事責任のあり方,病院 66(6),2007
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