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連載 病院管理フォーラム ■虐待防止・3
身近な症例としてのDV(ドメスティック・バイオレンス)
著者: 加藤雅江1
所属機関: 1杏林大学医学部附属病院医療福祉相談室
ページ範囲:P.605 - P.607
文献購入ページに移動医療の場は社会問題と直結している.DVについても知らん顔はできないのである.DVを知り,疾患の1つのカテゴリーとして捉えることが,医療スタッフには必要である.当院では,児童虐待防止委員会が活動を始めた頃より,児童虐待の背景にDVの影が見え隠れしていた.また,子どもの疾病を主訴に受診しに来た母親からDVについて相談を受け,子どもの疾患も両親間のDVの影響を受けていると考えられたことから,DVについて急遽介入した事例もあった.
救急診療の場からは,DVにより搬送されてくる患者への対応を依頼されることも多く,フローチャートを作成し,勉強会を行っていった.そのような流れを経て,平成17年,児童虐待防止委員会は名称自体を虐待防止委員会に変更し,援助対象を子どもから広げていく結果となった.
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