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文献詳細

雑誌文献

病院66巻8号

2007年08月発行

文献概要

特集 技術革新と競争激化―特定保険医療材料の今後

公的医療保険制度と医療機器・材料企業

著者: 田村誠1

所属機関: 1ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社

ページ範囲:P.644 - P.646

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 先進的な医療機器や医療材料が,現代医療において欠くことのできない,大きな役割を果たしていることは明らかであろう.例えば,MRIやCTなどの診断装置や,内視鏡,カテーテル,ペースメーカーなどの医療材料がまったくないところで,良質の急性期医療を行うことは容易ではない.

 そうした医療技術としての価値が広く認められている一方で,医療機器・材料を提供している企業が株式会社組織で利益を上げ,その利益を資本市場に還元することは,わが国の公的医療保険制度下では必ずしも肯定的にとらえられていないようにみられる.どんなに革新的な医療機器・材料であっても,原価に「若干の」利益を加えた程度が望ましいというのが,公的医療保険関係者の共通理解,あるいは本音ではなかろうか.

 本稿では,企業あるいは資本市場がわが国の医療制度に対して果たしうる役割について考察を加え,それらをもう少し積極的,前向きにとらえ,活用する方向について模索したい.

参考文献

1)Moses H, Dorsey E, Matheson D, et al:Financial anatomy of biomedical research, JAMA 294(11):1333-1342, 2005
2)二木立:「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期,p.190,勁草書房,1994
3)櫻堂渉:医療経済学的側面からの糖尿病腎症,Progress in Medicine 22(11):69-73,2002
4)二木立:21世紀初頭の医療と介護,p.28,勁草書房,2001
5)平成17年7月27日 中医協薬価専門部会
6)遠藤久夫:営利法人の病院経営パフォーマンスに関する一考察,医療経済研究3号,1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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