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文献詳細

雑誌文献

病院66巻8号

2007年08月発行

文献概要

短期連載 医療過誤における民事・行政・刑事責任・2

医療過誤に対する行政処分のあり方と問題点

著者: 尾崎雄1

所属機関: 1東京大学医療政策人材養成講座・医療過誤の法的責任研究班

ページ範囲:P.680 - P.684

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行政処分の仕組み,いきさつと現状

1.なぜ行政処分が必要か―国民の命と健康を守るために

 医療過誤を起こした場合,医師や病院にとって刑事判決よりも恐れることは,それをマスコミに報道されることであり,医業停止や免許取り消しの行政処分を受けることではなかろうか.医師は職を失い,病院は減収に追い込まれるからである.

 医師に対する行政処分は厚生労働大臣の諮問機関である医道審議会で決まるが,罰金以上の刑事罰が確定したケースが対象になっている.したがって,重大な医療過誤を犯した医師や病院も,刑事処分が確定するまでは医療行為を行うことができる.そうした医師の存在は,医療の消費者である患者の安全を脅かす.こうしたことがないように,事故を起こした医師や医療機関に対しては,刑事処分とは別に,業務停止や免許取り消しなどをいち早く行うことが求められている.医療は国民の命・健康を守る公共・公益事業であるからだ.

参考文献

1)東京大学医療政策人材養成講座・医療過誤の法的責任研究班:政策提言「医療過誤における民事・行政・刑事責任の線引きはどのように行われるべきか,2006」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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