icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院66巻8号

2007年08月発行

文献概要

連載 病院管理フォーラム ■虐待防止・4【最終回】

まだまだ未知なる高齢者虐待への取り組み

著者: 加藤雅江1

所属機関: 1杏林大学医学部附属病院医療福祉相談室

ページ範囲:P.698 - P.699

文献購入ページに移動
●最も難しい症例としての「高齢者虐待」

 高齢者への虐待問題が深刻化している.介護保険制度が普及する一方で介護疲れなどにより高齢者への暴力や介護放棄といった問題が表面化してきている.こうした状況を受け,2005年に高齢者虐待防止法が成立した.医療機関にも児童虐待と同様に虐待の早期発見,防止への取り組みが求められ,発見時の市町村への通告が義務づけられた.このように,高齢者に対する虐待防止対策は全国的にも取り組みが始まったばかりである.

 各自治体がまとめる虐待防止マニュアルを見ると「介護疲れ」がキーワードになっている場合が圧倒的に多い.連日報道される事件も同様である.一方で,私自身が医療機関で出会う高齢者虐待の背景は複雑で,その対応も背景や長い家族の歴史から問題の根っこを探り,核心に踏み込まざるを得ず,援助を行うには経験と高度なスキルを要する最も難しい症例である,という印象を持っている.虐待による受傷を主訴に来院される事例ばかりではないからかもしれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら