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文献詳細

雑誌文献

病院66巻9号

2007年09月発行

文献概要

特集 価格とコストの地域格差

病院収支モデルにおける地域格差―首都圏の病院経営が崩壊寸前

著者: 藤原寿1 高橋泰2

所属機関: 1財団法人自警会東京警察病院経営企画課 2国際医療福祉大学医療経営管理学科

ページ範囲:P.740 - P.744

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 「東京都心部での病院経営は今後成り立たない」.それは,現状の診療報酬では,都市部と地方の地域差が考慮されていないからだ.地価や食料費をはじめとした物価が都市部のほうがはるかに高い.にもかかわらず,診療報酬は全国一律の公定価格である.つまり,物価の高い都心部の医療機関は,同一の医療サービスを提供しても地方の医療機関より利益が少なくなる.その地域格差の一部は,入院において最大で1日につき180円,現状の診療報酬で評価されているだけである.

 一方,介護報酬では,介護・看護職員の人件費の地域差を反映する「係数」を設定し,報酬単価全体に乗じる報酬設定になっている.したがって,介護保険においては,サービスを提供する地域によって同じ内容のサービスであっても基本の報酬額全体が異なることになる.

参考文献

1)太田圭洋:病院コストの地域格差 現行診療報酬で対応可能か.病院58(11):1046-1051,1999
2)菅野實:病院建築のリニューアルと長寿命化.公共建築44(3):45-49,2002
3)伊藤一章:病院の増改築と病院経営.病院61(2):107-110,2002
4)白髪昌世:医師賃金と医師確保.病院63(2):122-130,2004
5)角田由佳:看護労働市場の特殊性と賃金決定メカニズム.日看管会誌5(1):127-129,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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