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レポート【投稿】
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現在,携帯電話各社は震度6以上の地震が発生した場合,災害用伝言板により安否確認情報を提供している.大規模災害時の情報伝達システムは,自治体や消防本部の使用している衛星電話や厚生労働省の広域災害・救急医療情報システムである.医療機関で働く職員への業務連絡や情報伝達を考えたものではない.新潟県中越地震では,救急医療情報システムが,まったく機能しなかった.災害時には,自治体を含め職員や住民に救急医療情報を提供することが必要となる.そこで当院では「サンダーバード作戦」と名づけた携帯電話の災害伝言板を利用した大災害時連絡網の新システムを構築し,定期的に訓練を実施している.また,地域住民と職員にアンケートを行い,その結果から問題点や改善すべき点を明らかにした.それらのアンケートや連絡網の改善,訓練を報告するとともに,重傷患者の円滑な移送につなげるため,全国の救急病院に配置されている厚労省の「広域災害救急医療情報システム」と一緒に設置してある通話のみの携帯電話に i モードなどの機能を取り付け,厚労省や自治体などと情報を共有することを提案する.
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