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連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・20
HIV/AIDSとソーシャルワーク―地域連携によるチーム医療
著者: 塚本弥生1
所属機関: 1広島市立広島市民病院総合相談室
ページ範囲:P.66 - P.70
文献購入ページに移動 当院総合相談室は1993年から広島県周辺地域のHIV(human immunodeficiency virus)感染患者への社会生活支援を行うため,地域のセルフヘルプグループやMSWが配置されていない病院と連携してきた.当時大多数の診療は血友病を診ていた大学病院や国立病院で行われていたが,ほとんどの病院でMSWが不在だった.1997年に広島大学病院,広島市民病院,県立広島病院が中国四国地方ブロック拠点病院に指定されてからは医師,看護師,臨床心理士,MSW,薬剤師による医療チームが編成され,病院や地域を越えた広範な連携が行われるようになった.これまでのHIV感染症患者の生活支援は生活保障に伴う権利擁護が中心になっているが,スティグマ化された状況はまだ解消されておらず,今後も社会的バリアフリーを目標にHIVソーシャルワークの実践が求められている.
参考文献
1)HIVとソーシャルワーク研究会(編):エイズとソーシャルワーク,中央法規出版,1997
2)分担研究者 高田昇:中四国地方におけるHIV医療体制の構築に関する研究.(HIV感染症の医療提供体制に関する研究総合研究報告書.主任研究者 白阪拓磨)2003
3)広島市立広島市民病院:プライバシー保護マニュアル.2004
4)岡本民夫,他(編):福祉情報化入門,有斐閣,1997
5)アーヴィング・ゴッフマン(著),石黒毅(訳):スティグマの社会学―烙印を押されたアイデンティティ,せりか書房,2001
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