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連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第165回
ドイツにおける病院運営の多角化と建築デザイン
著者: 中山茂樹1
所属機関: 1千葉大学大学院工学研究科
ページ範囲:P.936 - P.942
文献購入ページに移動 ドイツはヨーロッパ諸国の中でも最も社会保障の進んだ国の1つである.その方法は,英国や北欧など多くの国が財源を税金によって賄う方法を採用しているのに対し,わが国と同様に「保険制度」によっている.基本となる制度がわが国と同一であり,同様な課題も抱えるドイツの医療施設を視察する機会を得たので,近年の制度改革と,それに合わせた病院建築のデザインについて報告したい注1).
かつて,ドイツの病院運営者は,州もしくは自治体のほかは教会など,いわゆる公的な組織であった.これが近年は独立行政法人や第3セクター,あるいは民間会社の参入も著しいなど,その形態は大きく変容し多角化している.加えて,上述した医療保険制度にも,様々な競争的原理が導入されるなど,これまでの医療体制とは異なってきている.本稿は,こうした点にも触れながら,新しい時代に合わせた病院建築についての最新事例の考察である.
かつて,ドイツの病院運営者は,州もしくは自治体のほかは教会など,いわゆる公的な組織であった.これが近年は独立行政法人や第3セクター,あるいは民間会社の参入も著しいなど,その形態は大きく変容し多角化している.加えて,上述した医療保険制度にも,様々な競争的原理が導入されるなど,これまでの医療体制とは異なってきている.本稿は,こうした点にも触れながら,新しい時代に合わせた病院建築についての最新事例の考察である.
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