病院67巻10号

2008年10月発行

特集 病院と家庭医療

アメリカ医科大学における家庭医療

著者： 藤岡洋介¹

所属機関： ¹ミシガン大学家庭医療学科

ページ範囲：P.893 - P.896

　本稿のテーマは「アメリカの教育病院における家庭医療」であるが，われわれの施設は医科大学の家庭医療科であり，同じ教育病院でも，地域病院の家庭医療科とは多少性格が違ってくる．家庭医療の性格上，むしろ地域に根ざした病院のほうが研修に適している部分もある．それを承知していただいたうえで，われわれが勤務しているアメリカ医科大学での家庭医療を中心に紹介したい．ただ，それ以前にアメリカと日本では「家庭医療」そのものに対する捉え方の違いがあり，読者にアメリカにおける家庭医療の位置づけについて理解していただくため，アメリカで家庭医療が始まったいきさつ，アメリカでの家庭医療の定義などから話を始めたい．

参考文献

1）Dennis S : The History of Family Medicine.　http://www.aafpfoundation.org/PreBuilt/foundation_dennisresearch.pdf

2）McWhinney I : A Textbook of Family Medicine. Oxford University Press, 1997

3）Saultz J : Textbook of Family Medicine : Defining and Examining the Discipline. Mcgraw-Hill, 1999

4）http://www.carefriends.com/kido/education/e18.html

5）http://jafm.org/fd/20070609/070609tsuda.pdf

6）http://www.carefriends.com/kido/education/e19.html

7）http://www.aafp.org/online/en/home/aboutus/specialty/definitions.html

8）田中夏貴，他：家庭医療におけるチームアプローチの重要性と日本における可能性―ミシガン大医学家庭医療学科における実例．家庭医療 13（1）:22-28，2007

9）Schwenk TL : Family medicine as an academic discipline―The educational and scholarly contributions of family physicians. 家庭医療 7（1） : 3-9, 2000

10）Fetters MD，他：枠から外れた考えの勧め―何故独立した家庭医療型診療所が必要か？　家庭医療 11（2） : 22-26，2005

11）Berman D, et al : A model of family medicine and obstetrics-gynecology collaboration in obstetric care at the University of Michigan. Obste & Gyn 96 : 308-313, 2000

12）Fetters MD，他：地域における家庭医療の社会的役割―家庭医を専門医として理解するために．プライマリ・ケア 27（1） : 29-35, 2004

13）Fetters MD，他：プライマリ・ケア医の外来診療教育への参加─米国・家庭医療学教師会プリセプター教育プロジェクトの方略．医学教育 35（2） : 83-88，2004

14）Biggs WS，他：総合診療部での研修医カリキュラムを考える―米国家庭医療レジデンシーから学ぶもの．医学教育 34（4） : 239-244，2003

15）Fetters MD，西上尚志：米国家庭医療学が目指すもの―Future of Family Medicine Projectの紹介．クリニカルプラクティス 24（2） : 132-135, 2005

16）Fukui T, et al : The ecology of medical care in Japan. JMAJ 48（4） : 163-167, 2005

17）Fetters MD, et al : 開業医と大学総合診療部との架け橋―いかにして協力関係を築いていくか．プライマリ・ケア 24（4） : 285-291, 2001

18）清田礼乃，Fetters MD : プライマリ・ケアと家庭医療の違い―米国におけるプライマリ・ケア医／家庭医と在宅医療の関わり．Home Care Medicine 4（9） : 21-23, 2003