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文献詳細

雑誌文献

病院67巻10号

2008年10月発行

文献概要

特集 病院と家庭医療 【家庭医療クリニックと病院の連携例】

―亀田ファミリークリニック館山―Integrated Healthcare Networkにおける家庭医療クリニックの貢献とこれからの課題

著者: 岡田唯男1

所属機関: 1医療法人鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山

ページ範囲:P.897 - P.901

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 家庭医療の重要な概念であるbiopsychosocial modelが提唱されて昨年で30年1),プライマリヘルスケアの概念が提唱されたアルマ・アタ宣言から今年で30年,そして来年,米国で家庭医療が1つの専門分野として誕生して40年になるが,ようやく,地域全体の健康度の上昇はプライマリ・ケアなくして成立せず,専門医が多すぎると医療費の高騰,地域格差の増大,全体的な死亡率の低下が起きるという確固たるエビデンスが示されてきている2,3)

 医療法人鉄蕉会は2000年より家庭医療の実践と家庭医の育成に取り組んできたが,2006年より家庭医療単科のサテライトクリニック(亀田ファミリークリニック館山,以下,KFCT)を開設した.ここにその概要を解説する.なお,本稿における「家庭医」とは米国の家庭医療レジデンシープログラムと同等の研修を受けている後期研修医およびその指導に当たる指導医と定義する.

参考文献

1)Engel GL : The need for a new medical model : a challenge for biomedicine. Science 196(4286) : 129-136, 1977
2)Starfield B, et al : Contribution of Primary Care to Health Systems and Health. Milbank Q83(3): 457-502, 2005
3)Starfield B, et al : The effects of specialist supply on populations'health : assessing the evidence. Health Aff(Millwood), 2005 http://content.healthaffairs.org/cgi/content/full/hlthaff.w5.97/DC1
4)西岡洋右,他:亀田メディカルセンターにおける,職員とその子供のインフルエンザワクチン接種状況改善のための介入.第20回日本家庭医療学会,2005
5)大原紗矢香,岡田唯男:ポスター発表「外来における糖尿病診療の質評価」.第29回日本プライマリ・ケア学会,2006
6)岡田唯男,細田俊樹:ポスター発表「CQIの手法を用いた診療の質向上の試み(1)-その理論的背景と手法」.第29回日本プライマリ・ケア学会,2006
7)阪本直人,岡田唯男:ポスター発表「CQIの手法を用いた診療の質向上の試み(2)-肺炎球菌ワクチン接種率の向上」.第29回日本プライマリ・ケア学会,2006年
8)伊藤かおる,岡田唯男:ポスター発表「CQIの手法を用いた診療の質向上の試み(3)-喫煙に対する医師の問題意識の改善」.第29回日本プライマリ・ケア学会,2006
9)細田俊樹,岡田唯男:ポスター発表「CQIの手法を用いた診療の質向上の試み(4)-待ち時間対策」.第29回日本プライマリ・ケア学会,2006
10)篠原翼,岡田唯男:ポスター発表「亀田ファミリークリニック館山における保険診療による禁煙成功率」.第2回医療の質・安全学会,2007年
11)伊藤かおる,岡田唯男:ポスター発表「家庭医による思春期外来の試み」.第31回日本プライマリケア学会,2008年
12)松尾高司,他:専門医が解説する主な疾患の最新治療&予防法―医師・医療機関の選び方・かかり方にも「コツ」がある!,町淳二,宮城征四郎(編著):日米比較に学ぶ「国民主役」医療への道 セルフケアが健康を創る,医療を救う!,pp458-469,日本医療企画,2006
13)西岡洋右,他:ポスター発表「亀田ファミリークリニック館山での家庭医と産婦人科医の協働による妊婦検診の提供」,第30回日本プライマリケア学会,2007
14)西岡洋右,岡田唯男:ポスター発表「産科医との協力体制強化による家庭医妊婦健診継続率の増加」,第22回日本家庭医療学会,2007
15)Tadao Okada, et al : (Poster)Family Doctors in Japan with Specialists' Support can Provide Maternity Care for the Most of Pregnancy. the WONCA Europe 2007 conference, 2007
16)大原紗矢香,岡田唯男:ポスター発表「家庭医による産婦人科領域についての患者ニーズ」,第31回日本プライマリケア学会,2008
17)大川薫,岡田唯男:ポスター発表「家庭医が行なう健康教室に対する地域住民の評価についての分析」,第21回日本家庭医療学会,2006
18)小宮山学,岡田唯男:ポスター発表「地域に対する健康教室・患者教育のニーズと有用性の検討~亀田 家庭医診療科の取り組みを通じて」,第23回家庭医療学会,2008
19)松山幸弘:新しい統合医療事業体の創造.研究レポート 171,富士通総研(FRI)経済研究所,2003 http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/research/2003/report-171.html
20)江口成美:第2回日本の医療に関する意識調査.日医総研ワーキングペーパー 137,2006 http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=336
21)Gonzalez EH, et al : A Study of Closure of Family Practice Residency Programs. Fam Med 35(10) : 706-710, 2003
22)Beasley JW, et al : How Many Problems Do Family Physicians Manage at Each Encounter? A WReN Study. Annals of Family Medicine 2 : 405-410, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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