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文献詳細

雑誌文献

病院67巻11号

2008年11月発行

文献概要

連載 〈続〉基本からわかる医療経営学・8

医療におけるサービス・マーケティング

著者: 磯和由佳1

所属機関: 1流通科学大学サービス産業学部

ページ範囲:P.998 - P.1002

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 今,医療の現場では様々な問題が起こっています.医療費抑制による病院経営の厳しさ,医師や看護師を主とした医療従事者の離職や不足,モンスター・ペイシェントとも呼ばれる,消費者意識が高まり権利を主張し始めた患者など,医療を取り巻く状況は変化しています.今回はサービス・マーケティングの考え方を学びながら,医療サービスにおける展開について考えてみましょう.

 まず,サービスとは何かについて明らかにする必要があります.アメリカマーケティング協会では「サービス」を「販売のために提供される,もしくは財の販売と結びついて提供される諸活動,便益,満足」と定義しています.「サービス」は形のある「モノ」とは異なった特性があり,①無形性,②不可分性,③変動性,④消滅性が挙げられます.例えば診察は形がなく,医師の診察と患者の受診という行動は同時に発生し,やり直しはできません.また,患者それぞれに違った症状を呈するため標準化しにくく,医師もその時の状況により,まったく同一品質のサービス提供が困難です.そして,診察は事前に作り置きしたり在庫ができず,提供されると同時に消滅してしまいます.

 医療も医師や看護師など医療従事者によって行われる「サービス」なのです.

参考文献

1)山本昭二:サービス・マーケティング入門.日本経済新聞出版社,2007
2)近藤隆雄:サービス・マーケティング―サービス商品の開発と顧客価値の創造.生産性出版,1999
3)島津望:医療の質と患者満足―サービスマーケティング・アプローチ.千倉書房,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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