研究と報告【投稿】
急性期病院が行う行動療法に基づくメタボリックシンドローム改善コースの効果
著者:
福井和樹1
遠山慎一1
中尾正行1
中川毅1
中戸川知頼1
大楠泰生1
羽鳥慶1
細田順也1
目片友子2
坂本純子3
小笠原ひろみ4
所属機関:
1神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器科
2神奈川県立循環器呼吸器病センター 3西病棟
3神奈川県立循環器呼吸器病センター
4神奈川県立循環器呼吸器病センター 管理栄養科
ページ範囲:P.148 - P.151
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要旨 本研究では,急性期病院が行う生活指導によるメタボリックシンドローム改善コースの有効性について検証した.このコースでは,2泊3日の教育入院と6か月外来で行動療法を行った.結果:参加37人中31人84%が6か月のコースを完了した.医学的治療効果が期待できるといわれる5%以上の減量に成功したものが20人で,参加37人中54%であった.コースを完了した31名の平均体重で79.6kgからが74.4kgへと5.2kg(6.5%)の有意な減量に成功した.この結果,内臓脂肪面積,血圧,HDLコレステロール,中性脂肪75g経口糖負荷試験の2時間後血糖が有意に改善した.すでに投薬されていた25人中,7人(28%)がコース終了後,薬の減量が可能であった.結語:急性期病院が行うメタボリックシンドロームに対する生活改善コースは,減量の達成率が高く,治療効果も明らかなことから,有効な治療方法であった.