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連載 病院管理フォーラム
■医療経営と可視化・6
文献概要
医療を取り巻く情勢の厳しさが言われるようになって久しい.その原因に関しては,いろいろな点が挙げられる.医療費に関連する事柄だけでも,急激な少子高齢化社会の到来による医療費の急増,医療技術の進歩に伴う高額医療の増加,国家財政の危機に伴う医療を含めた福祉関連支出の制限,など枚挙に暇がない.一方では,現場における情勢の厳しさも日々増している.病院の集約化の大きな流れに伴う,特に地方の地域中核病院での医師不足,数年来の医療費のマイナス改定による減収減益,勤務医不足に伴う病院勤務医の疲弊,などである.
では,そもそも現在の医療のどこに問題があるのであろうか.大きく分けて,「医療の質」と「医療に関する財政」,この2つに問題が集約できるのではないだろうか.「医療の質」はさらに「外部的な質」と「内部的な質」に分けることができる.「医療の質」と「医療に関する財政」は表裏一体であり,この2点を検証するうえで本稿のテーマである「可視化」は非常に有意義である1).
では,そもそも現在の医療のどこに問題があるのであろうか.大きく分けて,「医療の質」と「医療に関する財政」,この2つに問題が集約できるのではないだろうか.「医療の質」はさらに「外部的な質」と「内部的な質」に分けることができる.「医療の質」と「医療に関する財政」は表裏一体であり,この2点を検証するうえで本稿のテーマである「可視化」は非常に有意義である1).
参考文献
1)真野俊樹:可視化の考え方.病院66(10):866-868,2007
2)遠藤功:見える化.東洋経済新報社,2005
3)多賀紀一郎:医療の可視化の考え方.病院66(11):960-963,2007
4)高橋宏,他:手術部運営におけるメーリングリストの有用性,手術医学26(4):317-319,2005
5)鈴木利保:麻酔科医の立場から.手術医学28(2):28-32,2007
6)遠藤幸男,他:手術枠組みの見直し.手術医学21(3):332-336,2000
7)沢井清司,他:より効率的な手術部の運営を求めて.手術医学23(4):339-340,2002
8)今村知明,他:特定機能病院を取り巻く諸制度の状況とDPC導入に伴う影響について.日臨麻会誌25(5):455-465,2005
掲載誌情報