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文献詳細

雑誌文献

病院67巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 看護師の役割を今問い直す

看護師とチーム医療―病院と施設を考える

著者: 武久洋三1

所属機関: 1医療法人平成博愛会博愛記念病院

ページ範囲:P.303 - P.306

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 看護師の歴史は長い.ナイチンゲールに遡るまでもなく有史以来,人類のために身も心も捧げてこられた先達の尊い積み重ねがあり,医師にとってなくてはならぬパートナーとして,大きな信頼を受け続けている.最近は数多くのコメディカル職種によるチーム医療が不可欠になってきているが,それは医療が「赤ひげ診療譚」の時代とは大きく変わり,高度化かつ複雑化してきたことに対する必然的な結果である.薬剤師や管理栄養士,臨床検査技師などの従来からの職種に加え,リハビリスタッフや社会福祉士(MSW)も大変重要な役割を担ってくれている.さらに,診療情報管理士や臨床工学技士,歯科衛生士,義肢装具士,視能訓練士などの新しい機能を持つ職種がチーム医療に参画してくれており,厚生労働省(厚労省)も国家資格でその技能を積極的に認定し,さらなる医療機能の細分化を進めている.しかし,だからと言って本来医療の中での2本柱である医師と看護師中心の関係は揺らぐことはない.

 しかしながら,現在は医師も看護師も誠に多岐にわたる業務や責務を抱えており,昔のように狭義の医療だけを行っていればよいというわけにはいかなくなってきている.とにかく法律的な事務仕事が多すぎる.また,患者や家族との対人関係の複雑化のみならず,感染防御,医療安全,身体抑制など,当然必要なのにこれまではあまり考慮されていなかったことが,医療の進歩とともに権利意識の高まりもあって問題となり,医療現場は混乱している.

参考文献

1)武久洋三:「介護療養型医療施設の再編に関する調査研究結果の概要」を検証する,“削除”は十分達成,政策転換を望む.病院経営17(368):6-19,2007
2)武久洋三:療養病床が守る医療の流れ―これからの医療療養病床が持つべき医療機能と経営特性.病院経営17(371):6-13,2007
3)厚生労働省:平成18年介護サービス施設・事業所調査結果の概況および厚生労働省作成療養病床から転換した老健施設における医療サービスの提供に関する参考資料
4)武久洋三:高齢者用基本治療マニュアル64改定版.pp 98-293,メディス出版部,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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