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特集 人材不足をどう打開するか
文献概要
2006年度の診療報酬改定において,従来よりも看護師を多く配置する「7対1入院基本料」が新設されて以降,看護師不足の問題が発生し,今なお続いている.しかし看護師の労働力不足問題は今日に始まったことではなく,問題に対処しようと,政府はこれまで数多くの政策を施行してきた.
本稿ではまず,看護師の労働力不足が生じる労働市場の構造と,背景にある看護師の労働供給行動の特性について,経済学の視点から整理する.そのうえで,日本の診療報酬制度,特に看護に関わる診療報酬の支払いの仕組みによって,看護師に対する労働需要が過剰に創出されたり,労働力を供給するインセンティブを阻害されたりするという,需要と供給両面にもたらされうる問題を提示し,適切な政策手段について検討する.
本稿ではまず,看護師の労働力不足が生じる労働市場の構造と,背景にある看護師の労働供給行動の特性について,経済学の視点から整理する.そのうえで,日本の診療報酬制度,特に看護に関わる診療報酬の支払いの仕組みによって,看護師に対する労働需要が過剰に創出されたり,労働力を供給するインセンティブを阻害されたりするという,需要と供給両面にもたらされうる問題を提示し,適切な政策手段について検討する.
参考文献
1)総務省統計局:労働力調査年報(2006年度)総務省統計局統計表データベースにて閲覧可能 http://www.e-stat.go.jp/index.htm
2)角田由佳:看護師の働き方を経済学から読み解く―看護のポリティカル・エコノミー,医学書院,2007
3)厚生労働省:衛生行政報告例(2006年度)厚生労働省統計表データベースにて閲覧可能 http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/
4)日本看護協会:病院看護基礎調査(1999),日本看護協会出版会,2001
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