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文献詳細

雑誌文献

病院67巻8号

2008年08月発行

文献概要

特集 人口減少時代の病院

人口減少と社会保障給付費

著者: 勝又幸子1

所属機関: 1国立社会保障・人口問題研究所 情報調査分析部

ページ範囲:P.685 - P.689

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人口減少時代到来

 直近の国勢調査(2005年実施)を踏まえて,2006年12月に国立社会保障・人口問題研究所は『日本の将来推計人口(平成18年12月推計)平成18(2006)年~平成67(2055)年』を公表した.この時,出生中位推計で2006年から人口が減少を始めると推計したことが「人口減少時代」の幕開けとして注目を浴びた注1).その後実際の総人口は減少したのかというと‘まだ’である.5年ごとの国勢調査の間の人口を出すのが総務省統計局の「人口推計」で,基準は10月1日現在となっているが,2006年と2007年の総人口は前年比較でそれぞれの約1,500人ずつ増加している.

 図1のように戦後第1次ベビーブーム(1947~49年)以後,出生数は急激に減少し再び1970年代前半に第2次ベビーブームがくる.その後1973年の出生数をピークとして出生数減少の時代がやってきた.出生率注2)が2.08人を下回ると人口の再生産ができなくなると言われているが(静止粗再生産率),日本の出生率がその水準を下回ったのは1974年であり,その後減少を続け2005年には過去最低1.26人を記録した.その後出生率自体は少し上昇し,2007年では1.34人になったが,生まれた子どもの数は減少を続け,2006年から2007年にかけて生まれた子どもの数は2,929人減少した1)

参考文献

1)厚生労働省大臣官房統計情報部:平成19年人口動態統計月報年計(概数)の概況,2008年6月
2)OECD:SOCX2007edition
3)勝又幸子:社会保障給付の国際比較―OECDのデータより.世界の労働58(4):22-32,2008
4)厚生労働省「医療費の将来見通しに関する検討会」 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/s0701-2.html
5)日本医師会,日医総研:「2004年度の国民医療費・老人医療費についての問題認識」より,2006年9月5日 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/dl/s1227-20d.pdf
6)京極髙宣,高橋重郷(編):日本の人口減少社会を読み解く,中央法規,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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