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特集 人口減少時代の病院
人口減少と社会保障給付費
著者: 勝又幸子1
所属機関: 1国立社会保障・人口問題研究所 情報調査分析部
ページ範囲:P.685 - P.689
文献購入ページに移動直近の国勢調査(2005年実施)を踏まえて,2006年12月に国立社会保障・人口問題研究所は『日本の将来推計人口(平成18年12月推計)平成18(2006)年~平成67(2055)年』を公表した.この時,出生中位推計で2006年から人口が減少を始めると推計したことが「人口減少時代」の幕開けとして注目を浴びた注1).その後実際の総人口は減少したのかというと‘まだ’である.5年ごとの国勢調査の間の人口を出すのが総務省統計局の「人口推計」で,基準は10月1日現在となっているが,2006年と2007年の総人口は前年比較でそれぞれの約1,500人ずつ増加している.
図1のように戦後第1次ベビーブーム(1947~49年)以後,出生数は急激に減少し再び1970年代前半に第2次ベビーブームがくる.その後1973年の出生数をピークとして出生数減少の時代がやってきた.出生率注2)が2.08人を下回ると人口の再生産ができなくなると言われているが(静止粗再生産率),日本の出生率がその水準を下回ったのは1974年であり,その後減少を続け2005年には過去最低1.26人を記録した.その後出生率自体は少し上昇し,2007年では1.34人になったが,生まれた子どもの数は減少を続け,2006年から2007年にかけて生まれた子どもの数は2,929人減少した1).
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