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連載 病院管理フォーラム ■医事法・17
医療紛争裁判の現状と課題(1)
著者: 植木哲1
所属機関: 1千葉大学法経学部法学科
ページ範囲:P.832 - P.833
文献購入ページに移動2001年7月に最高裁に設置された医事関係訴訟委員会は,医事訴訟の審理期間の短縮を目指して様々な調査・提言を行っています(同様の趣旨で設置されたのが建築関係訴訟委員会です).そこでは新しい「医事関係訴訟の現状」と題する統計が発表されるとともに,2005年6月には答申が出されました.統計資料によると,①医事関係訴訟事件の処理状況および平均審理期間,②医事関係訴訟事件の終局区分別既済件数およびその割合,③地裁民事第一審通常訴訟事件・医事関係訴訟事件の認容率,④医事関係訴訟事件の診療科目別新受件数が一覧表として出されています.
私も本連載の締めくくりとして,これらの統計から見えてくる医療裁判の現状を明らかにしつつ,裁判による医療紛争の解決には限界のあること,それに代わる裁判外の医療紛争処理機構(いわゆる医療ADR)が不可欠であることを強調したいと思います.
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