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連載 病院管理フォーラム ■エクセレント・ホスピタルの条件を探る・9
プロセス・マネジメントの概念
著者: 石井淳蔵1 水越康介2
所属機関: 1神戸流通科学大学 2首都大学東京大学院
ページ範囲:P.834 - P.836
文献購入ページに移動医療経営を考えるうえで,戦略策定は重要な作業である.例えば,経営学におけるもはや古典にして定番ともいえる,Porter1)による競争戦略論はその一助となる.ファイブ・フォース(「新規参入の脅威」「代替品・サービスの脅威」「供給業者の交渉力」「顧客の交渉力」「競合」)と呼ばれる一連の環境状況を分析すれば,自らの取るべき道が見えてくる.あるいは逆に,環境に依存しない独自の経営路線を考えたいのならば,やはり定番といえるBarney2)らの資源依存論を参考にすればよい.VRIOモデル(「価値」「稀少性」「模倣不可能性」「組織」)に基づいて,自らの企業だけが提供できる価値を確認し,競争優位性を確立できる.
とはいえ一方で,これらの戦略策定を過度に重視するのは危険である.なぜならば,大事なことは戦略の実行,さらには目的の達成にこそあるからである.戦略策定はあくまで手段であることを忘れてはならない.
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