文献詳細
特集 60周年記念号
温故知新―これまでの特集から振り返る
文献概要
戦後のにおいが残る1949年,当時はまだ病院の数が少なく,その後の医学・医療の進歩など考えられなかったであろう60年前に,病院について専門的に論文や報告を掲載する雑誌『病院』が発刊された.その後の急速な経済成長の中,病院急増時代を迎え,経済成長を上回る国民医療費の増加が起きた.しかし,その後の経済状況の変化から病床規制が始まり,現在の病院減少・病床減少に繋がるわけである.
当時筆者はまだ生まれておらず,父は戦前から開業していたが,戦後焼け野原になった下町で再度開業した頃である.その後のおぼろげな記憶では,雨の日にもスクーターに乗って往診をしていたことを思い出す.1963年に診療所から病院になり徐々に大きくなったが,いつも自宅では「病院の経営は大変だ」と嘆いていた.父は1978年に急逝してしまったが,その後も病院は多くの難問を抱えながらも存続した.そして筆者自らが経営者になってから,すでに20年を超えてしまった.
この60年という激動の中で,『病院』は多くの病院経営に関する特集を企画している.ここでは,時代を反映する医療・病院の経営に関する記事を引用し,病院経営の過去・現在・未来について考察してみたい.
当時筆者はまだ生まれておらず,父は戦前から開業していたが,戦後焼け野原になった下町で再度開業した頃である.その後のおぼろげな記憶では,雨の日にもスクーターに乗って往診をしていたことを思い出す.1963年に診療所から病院になり徐々に大きくなったが,いつも自宅では「病院の経営は大変だ」と嘆いていた.父は1978年に急逝してしまったが,その後も病院は多くの難問を抱えながらも存続した.そして筆者自らが経営者になってから,すでに20年を超えてしまった.
この60年という激動の中で,『病院』は多くの病院経営に関する特集を企画している.ここでは,時代を反映する医療・病院の経営に関する記事を引用し,病院経営の過去・現在・未来について考察してみたい.
参考文献
1)尾口平吉:病院財政の危機.病院22(8):23-30,1963
2)一条勝夫:医療費改定と今後の課題.病院35(7):17-21,1976
3)砂原茂一:病院管理とは,病院の管理者とは何か.病院43(2):114-118,1984
4)川渕孝一:わが国における私的中小病院の「これまで」と「これから」.病院52(3):204-210,1993
5)長谷川俊彦:病院の経営改善―経営科学(Management Science)への御招待.病院55(1):18-22,1996
6)幸田正孝,鈴木良男,矢崎義雄,河北博文:【座談会】今後の病院の財政基盤を問う.病院64(3):182-192,2005
掲載誌情報