病院68巻1号

2009年01月発行

特集 60周年記念号 温故知新―これまでの特集から振り返る

看護

著者： 川島みどり¹²

所属機関： ¹日本赤十字看護大学 ²日本赤十字看護歴史研究室

ページ範囲：P.43 - P.46

　発刊以来60年の雑誌『病院』の歩みは，学生時代を加えた筆者の看護師人生と丁度重なる．目次を見ながら，時々の問題の渦中にいたことに，一種の感慨を持った次第である．ところで，21巻以降約40年分の特集から「看護」に焦点化したものは47回にのぼる．その他にも，「病院外来」「救急医療」「高齢者」「在宅」「アメニティ」等々，看護が深く関わっているものも多くある．

　これらを総覧するという好機を喜ぶ反面，膨大な論考を前に，何を主題にすべきか思い惑う時間に殆どを費やした．21巻以降といっても前後でくっきり分けられるものではなく，その底流にある思想や風土は多少の変化はあっても現在まで絶えることなく続いている．“温故知新”というからには，直近の論考はさておき，古きをたずねて現代に生きる教訓を探ってみることにした．

参考文献

1）石本茂：病院管理者に望む．病院21（7）：29-32，1962

2）松井耶依：ニッパチ問題の発端と経過．病院29（8）：19-23，1970

3）石原信吾：ニッパチ問題の分析的把握．病院29（8）：25-30，1970

4）池谷允，小林弘子，吉武香代子，諸橋芳夫：【座談会】ニッパチ問題をめぐって．病院29（8）：52-61，1970

5）橋本寛敏：看護の再検討―病院管理者と看護指導者のために．病院22（11）：19-25，1963

6）砂原茂一：病院の中の看護婦―ひとつの偏見にみちた考察．病院34（4）：22-25，1975

7）今井栄一，大森文子，川島みどり，砂原茂一，岩佐潔：【座談会】“看護の独立”とはなにか．病院31（5）：44-54，1972

8）E. John Rizos：専門職看護の発展への道．病院21（7）：17-21，1962

9）廣瀬千也子：専門看護師・認定看護師における現状と課題．病院67（4）：307-311，2008

10）草間朋子：アメリカにおけるナースプラクティショナー制度と日本への導入の可能性．病院67（4）：312-316，2008

11）川島みどり：看護その専門分化の方向．病院37（7）：534-539，1978