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特集 医療費の配分を問う
文献概要
■医療における公共部門の役割
私たちは,いつ怪我をしたり病気になったりするかわからない.そして,患者として医療サービスを受ける.その際「患者は受益者だ」と言う人もいるが,そうではない.患者は健康な状態を回復する,つまり幸福を追求する権利を持っており,これは憲法で認められた国民の権利である.今健康な状態にある人も含めて,国民の納める保険料あるいは租税が医療に使われるのは,当然のことである.
医療の世界では,「消費者から見た完全情報」「消費者主権」は成立しない.腹痛や頭痛を訴えている人は,原因は何か,どのような治療が必要か,医学の知識,検査機器などがない限り,わからない.苦しんでいる人が医療サービスを選択することは困難である.
私たちは,いつ怪我をしたり病気になったりするかわからない.そして,患者として医療サービスを受ける.その際「患者は受益者だ」と言う人もいるが,そうではない.患者は健康な状態を回復する,つまり幸福を追求する権利を持っており,これは憲法で認められた国民の権利である.今健康な状態にある人も含めて,国民の納める保険料あるいは租税が医療に使われるのは,当然のことである.
医療の世界では,「消費者から見た完全情報」「消費者主権」は成立しない.腹痛や頭痛を訴えている人は,原因は何か,どのような治療が必要か,医学の知識,検査機器などがない限り,わからない.苦しんでいる人が医療サービスを選択することは困難である.
参考文献
1)OECD Health Data 2008,2008年12月
2)厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し」,2006年5月
3)OECD Economic Outlook 84 : pp.273-281, 2008年12月
4)OECD, Revenue Statistics 1965-2007, pp.96-113, 143-223, 2008
5)神野直彦,池上岳彦(編)『租税の財政社会学』,税務経理協会,2009
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