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文献詳細

雑誌文献

病院68巻10号

2009年10月発行

文献概要

特集 医療費の配分を問う

医療財政改革の課題

著者: 池上岳彦1

所属機関: 1立教大学 経済学部 経済政策学科

ページ範囲:P.822 - P.826

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■医療における公共部門の役割

 私たちは,いつ怪我をしたり病気になったりするかわからない.そして,患者として医療サービスを受ける.その際「患者は受益者だ」と言う人もいるが,そうではない.患者は健康な状態を回復する,つまり幸福を追求する権利を持っており,これは憲法で認められた国民の権利である.今健康な状態にある人も含めて,国民の納める保険料あるいは租税が医療に使われるのは,当然のことである.

 医療の世界では,「消費者から見た完全情報」「消費者主権」は成立しない.腹痛や頭痛を訴えている人は,原因は何か,どのような治療が必要か,医学の知識,検査機器などがない限り,わからない.苦しんでいる人が医療サービスを選択することは困難である.

参考文献

1)OECD Health Data 2008,2008年12月
2)厚生労働省「社会保障の給付と負担の見通し」,2006年5月
3)OECD Economic Outlook 84 : pp.273-281, 2008年12月
4)OECD, Revenue Statistics 1965-2007, pp.96-113, 143-223, 2008
5)神野直彦,池上岳彦(編)『租税の財政社会学』,税務経理協会,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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