文献詳細
特集 医療費の配分を問う
文献概要
わが国の医療制度は,全国どこでも均一のサービスを受けられることを建前とし,したがってほぼ全国一律の制度と報酬で運営されている.これは,どこでどのような傷病を負っても一定水準の医療サービスを等しい価格で受けることができるという安心感を国民に与えており,わが国の医療制度の優れた一面と言うことができる.しかし,右肩上がりで進んできたわが国の経済成長も,人口減少局面に入り,伸びが期待できず,他方,急速に進む高齢化により,提供される医療サービスの水準が変わらなくても,国民が負担しなければならない医療費は増加する.医療技術の進歩等を加味すれば,医療費はさらに増加すると考えられる.
これからの医療供給体制を考えるためには,この増加する医療費を誰がどのように負担するかについての国民的合意の形成が不可欠であり,検討の前提としては,医療提供の基礎となる人件費その他の諸費用について,厳然と存在している地域差等を把握しなければならない.
これからの医療供給体制を考えるためには,この増加する医療費を誰がどのように負担するかについての国民的合意の形成が不可欠であり,検討の前提としては,医療提供の基礎となる人件費その他の諸費用について,厳然と存在している地域差等を把握しなければならない.
参考文献
1)藤原寿,高橋泰:病院収支モデルにおける地域格差―首都圏の病院経営が崩壊寸前.病院 66(9):740-744,2007
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