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特集 補完代替医療のこれから 【事例】
芸術療法―精神のエコロジーとしての治療技法―各種の表現技法から環境療法へ
著者: 高江洲義英1
所属機関: 1医療法人和泉会 いずみ病院
ページ範囲:P.932 - P.935
文献購入ページに移動芸術が療法として用いられた歴史は長いものがある.旧約聖書の中にはダビデの竪琴がサウル王の憂鬱症を癒した記載があるし,絵画,文芸,音楽,ドラマなどのすべての芸術表現の領域で,各種の表現技法が多くの人々を癒してきたことは,歴史上でもよく知られている.
他方で19世紀後半のクレペリンやフロイトらによる近代精神医学の確立は,各種の疾患概念の確立と同時に,多くの治療技法の模索を始め,薬物療法と並んで各種の精神療法は,多様な表現技法のもつ治療効果に着目してきた.ことに第二次大戦前後の国際社会の混乱の中での心身の癒し(エコロジー)として,各種の精神療法への取り組みとして,各種の芸術療法が試行され,今日の発展に至っている(図1).
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