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文献詳細

雑誌文献

病院68巻11号

2009年11月発行

文献概要

研究と報告【投稿】

自治体立病院の経営形態に関する考察―地方公営企業法の全部適用への見直しが経営に与える影響

著者: 吉田秀一12 開原成允2

所属機関: 1株式会社日本経済研究所 調査第一局 医療福祉部 2国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科

ページ範囲:P.938 - P.941

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要旨 地方公営企業法の一部適用から全部適用への見直しの効果について,医業活動の収益性の経年的な分析に基づいて検証を行うべく,922の自治体立病院を対象に,1999年度および2006年度の修正医業収支比率を算出し,その変化について統計的な分析を行った.その結果,1999年度から2006年度にかけて経営形態がそのままの病院と,2000年度から2003年度に一部適用から全部適用に見直した病院との,修正医業収支比率の1999年度から2006年度の変化の平均値について,統計上の有意差が認められ,全部適用への見直しの経営上の効果が検証できた.また,全部適用に見直しても1~2年は効果が出ていないことも明らかになったが,これは,そもそも経営改革,改善に時間を要することのほか,変化に対して柔軟,迅速な対応が必ずしも十分にできないといった全部適用の制度上の問題点によるものではないかと推察される.

参考文献

1)齋藤貴生:公立病院経営改革の経験から―全適は医療の公共性と経済性の両立に最適.病院 68(3):231-235,2009
2)佐藤清和:自治体病院における経営状況の分析―地方公営企業法の全部適用と経営状況との関連性.青森公立大学経営経済学研究 10(2):75-98,2005
3)武弘道:大型自治体病院の経営実態を分析する(第Ⅲ部)―経営の善しあしを左右する諸因子の検討と経営改善のための提言.病院 55(6):569-574,1996
4)吉田秀一,高橋慶太:自治体立病院の現状と動向について(Ⅱ).日本政策投資銀行:5-14,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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