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文献詳細

雑誌文献

病院68巻12号

2009年12月発行

連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・40

MSWコーディネート機能の入退院モデル分析―連携モデル分析と平均在院日数分析

著者: 関田康慶1

所属機関: 1東北大学大学院経済学研究科

ページ範囲:P.1039 - P.1043

文献概要

 本稿では,2つのMSW連携・退院支援モデルについて検討,分析を行っている.第1のモデルでは,病院の前方連携,院内連携,後方連携の充実度の有無を組み合わせたモデルの連携効果について検討した.第2のモデルでは,MSWコーディネート係数モデルを用いて,MSWのコーディネート機能が平均在院日数の短縮にどのように影響を及ぼすかについて分析した.第1のモデル検討結果として,前方連携,院内連携,後方連携の充実度の組み合わせによるモデルの連携効果特性が示された.特に退院支援機能を果たす後方連携機能の重要性が明らかになり,MSWのコーディネート機能の重要性が示唆された.第2のモデル分析結果として,延入院患者数が一定で平均在院日数を短縮する場合,平均在院日数が短縮化されるに伴い,MSWのコーディネート機能の充実(MSWの配置人数の増加)が一層必要になることが判明した.また平均在院日数の短縮は,MSWや職員の業務量負担を2乗のレベルで増加させることを示した.

参考文献

1)加藤由美,関田康慶:MSWのコーディネート機能による患者不安度軽減効果の評価.病院 66(1):64-67,2006
2)関田康慶,阿部真菜美:MSWのコーディネート機能による機能連携への貢献.病院 65(7):74-77,2006
3)阿部真菜美,加藤由美,関田康慶:MSWのコーディネート機能と平均在院日数,病床利用率への影響分析.病院 65(10):64-67,2006
4)関田康慶:高齢者医療における退院支援の現状と課題.老年医学 47(3):275-283,2009
5)京極高宣:医療福祉士への道―日本医療ソーシャルワーカーの歴史的考察,医学書院,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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