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文献詳細

雑誌文献

病院68巻2号

2009年02月発行

文献概要

特集 医療統計の再構築に向けて

厚生統計を医療政策にどう反映させるか

著者: 伏見清秀1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院 医療情報システム学教室

ページ範囲:P.104 - P.107

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 近年の政府の厳しい医療費抑制政策の影響で,わが国の医療提供体制は崩壊の危機にある.特に急性期医療においては,医療従事者の犠牲的な労働によって地域の医療が保たれている地域も多い.このような厳しい状況になってしまっている原因の1つは,医療の実態が正確に把握されていないことにあると考えられる.医療問題のような複雑な課題の解決には,実態の正確な把握とそれに基づく多くの知恵の結集が必要であるが,その基礎ができていないのである.例えば,近年問題となっている医師不足に関して,どの地域にあと何人の医師が必要かを示す具体的なデータはない.看護師数や病床数についても同様で,客観的な数値に基づく検討ができていない.

 厚生行政の基礎となる情報が,厚生統計である.本稿ではわが国の厚生統計の概略を示すとともに,それらの情報の意義と厚生統計の抱える問題点を考察する.さらに,厚生統計の利用促進によるエビデンスに基づく医療施策のあり方を示したい.

参考文献

1)伏見清秀:厚生労働科学研究費補助金統計情報高度利用総合研究事業「電子医療情報の有効利用による傷病および医療機能に関する統計情報の収集・分析・利活用の効率化と充実のための方策に関する研究」平成18年度~平成19年度 総合研究報告書
2)伏見清秀:厚生労働科学研究費補助金医療安全・医療技術評価総合研究事業「医療圏における地域疾病構造および患者受療行動に基づく地域医療の評価のあり方に関する研究」平成19年度 総括研究報告書
3)伏見清秀:DPCデータ活用ブック第2版,じほう,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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