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特集 NPMで公立病院は再生するか
【事例】地方独立行政法人化後の那覇市立病院
著者: 宜保哲也1
所属機関: 1地方独立行政法人 那覇市立病院
ページ範囲:P.226 - P.230
文献購入ページに移動沖縄県には5つの医療圏が設定されている.そのうち最大の医療圏が本島南部医療圏で,那覇市立病院(以下,当院)はここに立地している.圏域人口は69万人(うち那覇市31万人),老齢化指数は84.1,圏内の医療施設は46病院9,793床,うち一般病床が4,675床,療養病床が1,945床であるのに対し,適正病床は5,404病床と設定され,1,216病床が過剰とされている.圏内に離島を抱えているものの,人口の大半から言えば都市型の医療圏である.当院の半径3km以内にも,県立病院,移転建設中の公的病院,大型民間有力病院多数がひしめいている,いわゆる医療激戦区である.
当院は昭和55年に開設した470床を有する急性期型の病院で,小児科医が常駐する365日24時間の救急医療体制と,地域がん診療連携拠点病院を表看板にしている.ちなみに平成19年度の救急患者数は約5万人,うち救急車搬送は3,750件であった.現在のところ,圏域の救急医療ネットワークは有効に機能しており,全国的に課題となっている小児・妊婦のたらいまわしの事例は皆無である.
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