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文献詳細

雑誌文献

病院68巻3号

2009年03月発行

文献概要

レポート【投稿】

公立病院経営改革の経験から―全適は医療の公共性と経済性の両立に最適

著者: 齋藤貴生1

所属機関: 1大分県立病院9階 大分県病院事業管理者室

ページ範囲:P.231 - P.235

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要旨 一部適用および全部適用の同規模類似公立病院に,それぞれほぼ同様の方法で経営改革を行い,全適化の経営改革に及ぼす実際の効果を検証した.①全適の病院では,一部適用の病院で困難であった経営管理体制の改革の目標をおおむね達成するとともに,それ以外の医療・経営全般の改革の目標も,一部適用の病院より迅速に達成した.それに伴い,収支均衡を一部適用の病院よりも早期に達成できた.②全適化の実際の効果は,法律上予測される効果よりはるかに大きかった.法律上の個別条項による効果は経営管理体制の改革に限定的であったが,病院事業管理者の設置による効果が医療・経営の改革全般に及び,かつ大きいことがその理由と考えられた.以上より,公立病院改革を行ううえで,全適は,現時点では医療の経済性と公共性を両立できる最適の経営形態であると思われる.

参考文献

1)齋藤貴生:自治体病院の経営改革(1) 地方公営企業法一部適用は全部適用より不利か. 全国自治体病院協議会雑誌 47(2):134-140,2008
2)齋藤貴生:自治体病院の経営改革(2) 地方公営企業法全部適用による法的制約の緩和は部分的かつ僅か. 全国自治体病院協議会雑誌 47(3):31-44,2008
3)齋藤貴生:自治体病院の経営改革(3) 全適こそ医療の公共性と経済性の両立に最適の経営形態である. 全国自治体病院協議会雑誌 47(7):33-49,2008
4)武弘道:大型自治体病院の経営実態を分析する(第1部) 500床以上の中核病院50の経営を8~12年間フォローして. 病院 55(4):391-394,1996
5)武弘道:三自治体で15年間の病院事業管理者を経験して.第7回全国病院事業管理者等協議会会議,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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