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文献詳細

雑誌文献

病院68巻5号

2009年05月発行

文献概要

研究と報告【投稿】

『努力-報酬不均衡モデル』を用いた地方自治体病院における医師と看護師の職業性ストレス評価

著者: 山田茂樹1 柴野昌子2 宮下孝子3 吉田博子2 小田裕美子2 曽村利子2 林めぐみ4 村田昌弥5 沼波輝5 寺島剛6 武田晋作7

所属機関: 1滋賀県立成人病センター 脳神経外科 2滋賀県立成人病センター 看護部 3滋賀県立成人病センター 医療安全対策室 4滋賀県立成人病センター 診療情報管理室 5滋賀県立成人病センター 経営企画室 6滋賀県立成人病センター 病理部 7滋賀県立成人病センター 循環器科

ページ範囲:P.406 - P.411

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要旨 病院の労働環境を評価・改善するため,『日本語版 努力-報酬不均衡モデル職業性ストレス調査票』を参考にアンケート調査を実施した.当院の全職員706人にアンケートを配布し,632人から回答を得た(回収率:92%).努力-報酬不均衡モデルによる日本人労働者約2万人の集計結果を基準に「仕事ストレス」=1.7×(努力・報酬得点比-0.56)+1.0を設定した.正職員504人(仕事ストレス=1.44)とパートタイム職員121人(仕事ストレス=0.99)の間には明らかな差が認められた.正職員では看護師の仕事ストレスが1.61と突出して高く,特に36歳以上の看護師で1.70と高いストレスを示した.36歳以上の看護師は,本来の業務と異なる余分な仕事が多くなり,過去数年で仕事の負担が増えてきたことでストレスを感じる割合が高く,看護業務の見直しを行うことでストレスが軽減される可能性が示唆された.

参考文献

1)清家篤:鍵は労働条件の見直し.病院 67(8):694-756, 2008
2)楠本万里子:現在の病院看護基準と看護師不足解消の方向性.病院 67(6):490-493, 2008
3)堤明純,大島正光,他:日本語版「努力-報酬不均衡モデル」調査票.ストレススケールガイドブック,pp277-285,実務教育出版,2004
4)堤明純:努力-報酬不均衡モデルと日本での適応.産業精神保健8巻:230-234,2000
5)Siegrist J : Adverse health effects of high-effort/low-reward condition. J Occup Health Psychol 1 : 27-41, 1996
6)稲葉一元:医師に選ばれる病院とは.病院 67(6):515-518, 2008
7)高﨑真一:医師・看護師不足への対応策としての「短時間正社員制度」の可能性.病院 67(6):504-506,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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