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文献詳細

雑誌文献

病院68巻7号

2009年07月発行

文献概要

連載 病院管理フォーラム ■医療安全:Try Top Management First!・4

臨床研修における医療安全教育の課題と展望―トップマネジメントの支援

著者: 石川雅彦1

所属機関: 1日本医療安全研究所

ページ範囲:P.590 - P.592

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 医療安全推進と医療の質向上は医療機関における最優先課題である.この一環として,卒前教育における医療安全教育の充実は必須であり1,2),卒後臨床研修における医療安全教育も含めた検討が求められている.「研修医に対する安全管理体制について」は,国立大学医学部附属病院長会議の提言が示されている3).日本医療機能評価機構の集計では,インシデント・アクシデント事例の当事者として,部署配属年数1年以内の医療者が最も多いことが指摘されている4).研修医が当事者となるインシデント・アクシデント事例の発生も少なくないと考えられることから,卒前のみならず,卒後臨床研修における医療安全教育の充実も極めて重要な課題である.

 平成16年度より開始された新医師臨床研修の到達目標における行動目標には,医療人として必要な基本姿勢・態度として安全管理が挙げられており,1)医療を行う際の安全確認の考え方を理解し,実施できる,2)医療事故防止及び事故後の対処について,マニュアルなどに沿って行動できる,3)院内感染対策(Standard Precautionを含む)を理解し,実施できる,の3点が明記されており,現行の臨床研修カリキュラムの中で,どのように実施していくかについての検討が求められる.

参考文献

1)石川雅彦,他:卒前医学教育における医療安全教育の現状と課題.医学教育 39(2):115-119,2008
2)石川雅彦,他:コンピテンシーに基づいた卒前医療安全教育.医学教育 38(1):47-50,2007
3)研修医に対する安全管理体制について(問題点およびその対策).国立大学医学部附属病院長会議常置委員会(平成16年2月)(http://www.univ-hosp.net/guide_cat_04_5.pdf, accessed 2009.3.23)
4)医療事故情報収集等事業 第15回報告書(平成20年12月9日)(http://www2.jcqhc.or.jp/html/documents/pdf/med-safe/report_15.pdf, accessed 2009.3.23)
5)石川雅彦,他:新医師臨床研修制度の現状と課題―国立保健医療科学院におけるアンケート調査から―.医学教育 39(4):273-276,2008
6)石川雅彦,他:初期臨床研修「地域保健・医療」研修における医療安全研修.医学教育(第39回日本医学教育学会大会予稿集),p30, 2007
7)石川雅彦,他:臨床研修の到達目標に関する研究―卒前医学教育への前倒し導入に関して―.医学教育 39(1):19-27, 2008
8)厚生労働省ホームページ.「臨床研修に関する調査」報告のポイント(平成19年9月6日) (http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/chosa-saisyu06/dl/01a.pdf, accessed 2008.3.23)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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