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文献詳細

雑誌文献

病院68巻8号

2009年08月発行

文献概要

連載 広がる院内助産所・助産師外来・3

地域の中核病院における助産師外来の取り組み

著者: 葛西圭子1

所属機関: 1NTT東日本関東病院 看護部

ページ範囲:P.672 - P.677

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 助産師の専門性とは何か,独自性の発揮とはどのようなものか.保健師助産師看護師法は「この法律において『助産師』とは,厚生労働大臣の免許を受けて,助産又は妊婦,じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう.」と定義し,異常があると認めた場合には医師の診療を求めなくてはならない1).また,助産所の開業については医療法で規定されている.妊娠期での助産師の役割は正常・異常の経過診断と妊婦の保健行動を高める指導・相談が中心となる.本人と家族がどのような出産を望み,子どもを含めた家族生活をどのようにスタートさせるかの意志決定支援の役割は特に重要である.広がりつつある助産師外来は,単に現在の産科医療危機の主な原因である産科医師不足の窮余の一策ではないはずであり,助産師の本来の役割を取り戻す契機となるのである.ここではNTT東日本関東病院(以下,当院)で実施している助産師外来の開設経緯と現状,今後の課題について紹介する.

参考文献

1)保健師助産師看護師法(助産師の定義)第3条,1948
2)日本看護協会:病院・診療所における助産師の働き方-助産師が自立して助産ケアを行う体制づくりのために,2006
3)角田肇:産科医からみた今後の周産期医療.特集:助産師外来開設のストラテジー,助産雑誌 61(12):1026-1031,2007
1)葛西圭子:助産師外来機能評価(案)ver. 3,助産師活用システム.平成19年度厚生労働科学研究費補助金 分娩拠点病院の創設と産科2次医療圏の設定による産科医師の集中化モデル事業(主任研究者:岡村州博,分担研究:遠藤俊子),pp46-52,2007
2)葛西圭子,遠藤俊子:助産師外来・院内助産の現状と今後への課題-日本看護協会の取り組み.看護管理 18(9):756-761,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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