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文献詳細

雑誌文献

病院68巻9号

2009年09月発行

文献概要

特集 外科医を支援する

外科医不足の打開策―臨床工学技士や歯科医師等の活用における法的課題と海外の事例

著者: 川渕孝一1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医療経済学分野

ページ範囲:P.718 - P.721

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 喫緊の医療問題は何と言っても医師不足である.医師がいなければ医療は成立しないし,病院経営などあったものではない.

 それにしても,どうして突然,医師不足は起こったのだろうか.確かに人口10万人当たり150人という必要医師数の設定に問題があり,そもそも医師は足りなかったという説もある.しかし,急に医師不足が生まれたことを考えると,やはり2004年度にスタートした新臨床研修制度が引き金になったことは否めない.特に,インターネットが普及したことで「外科は労多くして益なし」といった風評が瞬時に走る.その結果,これまで大学の医局に医師の配給を依存してきた公立病院は路頭に迷っている.これは教授の言うことを聞いて離島・山村やへき地の地域医療に従事していた医師がドライになり,リスクをとらなくなったからだ.この医師のモラルの低下こそが医療問題をより複雑にしている.

参考文献

1)川渕孝一:医療再生は可能か,ちくま新書,2008,pp.30-32
2)野田隆夫:私が本を上梓した理由,東京医科歯科大学歯科同窓会会報,No169, pp.30-31, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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