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レポート
手術に関わる医療安全推進のNew Wave―WHOが提唱する“Surgical Safety Checklist”
著者: 石川雅彦1
所属機関: 1日本医療安全研究所
ページ範囲:P.758 - P.760
文献購入ページに移動要旨 手術に関する医療安全の推進は世界共通の喫緊の課題である.手術関連のエラーや合併症の減少を目指し,2008年にWHOが“Surgical Safety Checklist”を発表した.これは,1)麻酔導入前(Sign in),2)執刀直前(Time out),3)患者退室前(Sign out)の3段階で構成され,各段階で手術チームのメンバーが確認すべき複数の項目を具体的に示した手術における安全確保のためのツールである.医療レベルなどの環境に左右されない普遍的でシンプルな基準として,また,実施コストがほとんどかからないという点からも,世界中の医療機関で適用することが可能な内容で,その活用が期待される.今回,“Surgical Safety Checklist”の概要とその実施効果,および国際的な取り組みや本邦への導入を含めた今後の展望について述べる.
参考文献
1)石川雅彦,他:手術における患者・部位誤認防止システム―「5ステップ法」の適用―.日本医療マネジメント学会雑誌 6(4):671-675,2006
2)WHOウェブサイト http://www.who.int/patientsafety/safesurgery/en/(accessed 2009.7.29)
3)Haynes AB, et al:A surgical safety checklist to reduce morbidity and mortality in a global population. N Engl J Med 360(5):491-499,2009
4)IHIウェブサイト http://www.ihi.org/IHI/Programs/ImprovementMap/WHOSurgicalSafetyChecklistSprint.htm(accessed 2009.7.29)
5)NPSAウェブサイト http://www.npsa.nhs.uk/nrls/alerts-and-directives/alerts/safer-surgery-alert/(accessed 2009.7.29)
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