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文献詳細

雑誌文献

病院69巻1号

2010年01月発行

連載 病院ファイナンス・その後

シンジケートローン―病院の大型設備投資にフィットした資金調達方法

著者: 福永肇1

所属機関: 1藤田保健衛生大学 医療科学部 医療経営情報学科

ページ範囲:P.48 - P.52

文献概要

 本誌2004年9月号から2007年3月号にて「病院ファイナンスの現状」を連載し,病院資金調達の考え方や調達手法・金融商品を紹介しました.またそれらに加筆整理して資金調達のテキスト『病院ファイナンス』を2007年3月に発刊しています1).その後3年間での病院資金調達のトピックスは,①シンジケートローンの組成急増,②公募債(社会医療法人債)の登場,③リーマン・ショック後の銀行の貸付慎重化の3項目と言えます.

 本稿ではシンジケートローンを病院スタッフに向けて解説します.病院にとってシンジケートローンの最大のメリットは,巨額な中長期設備資金への調達を比較的低利で可能にしたことです.主取引銀行だけでは支援が難しいと推測される大型設備投資も,シンジケートの銀行団による融資で実現が可能になるかもしれません.

参考文献

1)福永肇『病院ファイナンス』医学書院,2007.ただし連載で解説した「病院株」は単行本には収録しておらず,『病院』 66巻 3号,2007をご参照ください.
2)全国銀行協会 貸出債権市場取引動向 http://www.zenginkyo.or.jp/stats/year4_01/
3)Thomas Reuters「日本シンジケート マンデートアレンジャー 全ランキング」(2009.1.1~2009.9.30) http://www.thomsonfinancial.jp/pdf/TR/LTs/RD3Q09%20All%20MLA%20Ranking.pdf
4)大庫直樹『あしたのための「銀行学」入門』p.36,PHP研究所,2009
5)シンジケートローンやM&A,債券発行,新株発行の調印式の時には,会社名,金額,幹事銀行(幹事証券会社),参加銀行などのディール関係者の名前を広告にして公表する慣習が金融界にはあります.小さな縦長の長方形に名前が刻まれたこの広告は,形が西洋の石板型の墓石(ぼせき)に似ていることからツームストーン(tombstone,墓石広告)といわれ,金融新聞や金融専門誌に掲載されます.またツームストーンは透明アクリル樹脂に挟まれて卓上の置物として配布され,会社や銀行の社長室や応接室を飾ります.当事者が自分たちのディールを世に示し,誇りとしているものです.特に銀行団の名前の欄の左上に大きく銘記されるトップレフトは熾烈なアレンジャー獲得競争の勝者としての名誉とステータスを示しています.
6)三井住友銀行 http://www.smbc.co.jp/hojin/financing/syndicate.html
7)東北銀行 http://www.tohoku-bank.co.jp/news/topics/etc_topic52.html
8)日本政策投資銀行 http://www.dbj.jp/news/archive/rel2008/0625.html
9)メディポリス医学研究財団 http://www.medipolis.jpn.org/uploads/7a015e0b-0838-fe2f.pdf
10)山陰合同銀行 http://www.gogin.co.jp/about/press2009/topi09-053.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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