文献詳細
文献概要
特集 拡大するリハビリテーション医療 【事例】
訪問リハビリテーションの意義とこれから
著者: 吉良健司1
所属機関: 1在宅りはびり研究所・訪問看護ステーション
ページ範囲:P.877 - P.880
文献購入ページに移動いわゆる団塊の世代が高齢者となる2015年を山場として,日本は未だかつて経験したことのない超高齢社会を迎えようとしている.その急激な人口増加から推計される療養者や要介護者は,現在の医療施設や福祉施設のインフラのキャパシティーを超え,社会保障費の増大はやむをえない現実として国家にのしかかってきている.医療費の増大の抑制に向けては,欧米諸国の医療の動向を踏まえ,在院日数の短縮と療養病床の検討,早期在宅復帰が推進されてきている.これに伴い,入院リハビリテーション(以下,リハ)期間の短縮化が推し進められ,リハ医療の提供のあり方が大きく変わってきている.その中でも,最も注目されているサービスが訪問リハである.
以前は,発症してから在宅復帰までに数年を要していた時代もあったが,最近では脳卒中であっても6か月程度で自宅復帰するケースも珍しくない.このため,以前の訪問リハは維持期のフォローといったニュアンスが強かったが,最近は回復期もあり,入院することが容易でなくなったため,急性期や終末期といったすべてのリハ医療の段階があり,それらを包括するオールラウンドなサービスへと進化している.
掲載誌情報