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文献詳細

雑誌文献

病院69巻2号

2010年02月発行

文献概要

特集 病院管理会計とBSCの効用

病院における管理会計と活用する際の留意点

著者: 池上直己1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部 医療政策・管理学教室

ページ範囲:P.94 - P.98

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■管理会計とは?

 管理会計を財務会計と対比させると理解しやすい.財務会計の目的が外部の金融機関等への財務上の健全性に関する情報の提供であるのに対して,管理会計は内部の経営者に,経営管理に必要な情報を提供することにある.そのため,財務会計では方法・様式が他と比較できるように法規定で細かく規定,統一されているのに対して,管理会計では経営上のニーズに合わせて形式を随時変えることができる.また,財務会計は公表を前提としているのに対して,管理会計は公表しないことを前提としている.すなわち,管理会計は経営陣に役立てばどんな形式でもよいが,逆に経営に役立たなければ作成する意味もない.したがって,トップマネジメントとして,どのように活用するかを常に念頭に置いて管理会計に取り組むべきである1)

参考文献

1)吉田博,平山謙司:病院独自のシステム構築と実際の運用について.全国自治体病院協議会雑誌 43(11):1581-1586,2004
2)石井孝宣:病院のための経営分析入門,じほう,2008
3)池上直己,他:「管理会計―ケース」,第4回医療機関トップマネジメント研修コース,全日本病院協会,2008
4)鎮目美代子,中牧郁子,池上直己:DPC上位100分類に対応するクリニカルパスの現状と課題.日本クリニカルパス学会誌 10(4):529,2008(第9回日本クリニカルパス学会学術集会,埼玉,2008.11.21-22)
5)医療経済研究機構:平成20年度医療機関の部門別収支に関する調査報告,医療経済研究機構,2009
6)医療経済研究機構:「医療機関の部門別収支に関する調査」の開発とその適用.病院 69(2):99-102,2010
7)医療経済研究機構:平成17年度医療機関の部門別収支に関する調査報告,医療経済研究機構,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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