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雑誌目次

雑誌文献

病院69巻3号

2010年03月発行

雑誌目次

特集 医療におけるソーシャル・ビジネスの展開

巻頭言

著者: 広井良典

ページ範囲:P.173 - P.173

 「ソーシャル・ビジネス」や「社会起業家」という言葉がよく使われるようになっており,社会的な関心が高まっている.ここで「ソーシャル・ビジネス」とは,経済産業省の「ソーシャルビジネス研究会」報告書(2008年4月)によれば,「社会的課題を解決するために,ビジネスの手法を用いて取り組むもの」で,①社会性,②事業性,③革新性の3つを備えていることが基本的な特徴である.そして想像されるように,こうしたソーシャル・ビジネスには医療や福祉に関連するものが多く,同報告書の調査でも,「保健・医療・福祉」分野は全体の24.5%を占め,「地域活性化・まちづくり」(60.7%)に次いで2番目の多さとなっている.

 ソーシャル・ビジネスは,その言葉自体の新しさにも示されるように,なお未知数の要素を多く含むものであるが,それが望ましい形で発展していくならば,閉塞感ということが言われて久しい日本社会に“新しい風”をもたらす可能性をもっている.また,ソーシャル・ビジネスの上記3つの要件をあらためて見直すと,実は「病院」の運営ないし経営は(それが革新性を備えるとすれば)それ自体がソーシャル・ビジネスと言える側面を持っている.そして本特集の中で様々な事例を見ていくように,新たに起こりつつあるソーシャル・ビジネスと病院が適切な形で連携していくことは,病院や患者,一般市民にとってもプラスの効果を持ちうる.

ソーシャル・ビジネスとは何か―病院経営とソーシャル・ビジネスの関係からの視点

著者: 大室悦賀

ページ範囲:P.174 - P.180

 最近「ソーシャル・ビジネス」という言葉が新聞やテレビなど様々なところで使われるようになってきた.しかし,多くの方は,ソーシャル・ビジネスとはどのようなものなのか,従来のビジネスとどのように違うのか,といった疑問を持っている.そして,本稿の関連で言えば,病院経営とどのように関連するのだろうか,という疑問を持っている.

 今回は,この疑問に答えるとともに,ソーシャル・ビジネスが病院経営にどのような影響をもたらすのか,ソーシャル・ビジネスの視点から病院経営を見るとどのように写るのかということを検討していく.本稿の構成は,ソーシャル・ビジネスとは何かを説明し,病院の関連産業のソーシャル・ビジネス化の動向について事例を紹介する.結論は,ソーシャル・ビジネスの視点から病院経営の再考を試み,ソーシャル・ビジネスから病院経営の新たな経営スタイルを示唆する.

ソーシャルビジネスの現状と経済産業省の振興施策

著者: 福住知宏

ページ範囲:P.181 - P.185

 様々な社会問題が顕在化している現状において,社会的課題の解決に対して事業性を見出し,「新たな産業・新たな働き方」を創出する主体としてソーシャルビジネス(以下,本文ではSB)が注目を集めている.本稿では,平成20(2008)年4月にとりまとめられたソーシャルビジネス研究会(座長:谷本寛治・一橋大学大学院商学研究科教授)報告書(以下,報告書)を踏まえて,SBの現状と経済産業省が取り組む振興施策の概要を紹介する.

フィンランド福祉国家の競争力とソーシャル・イノベーション

著者: 山田眞知子

ページ範囲:P.202 - P.205

 近年,フィンランドの生徒の学力の高さと優れた国際競争力がわが国でも注目されている.フィンランドは次のような特徴を持つ北欧型福祉国家に属している.それらは,国が国民の幸せに責任を持つ割合が大きいこと,社会保障が高度に普遍的な公的サービスならびに平等な給付と労働所得に基づく給付によって成り立つこと,平等の理念,高い税負担,所得や生活水準の格差が比較的小さいこと,進んだ地方自治制度などである.

 では,このような高福祉高負担の国は,どのようにして国際競争力を高めることができたのだろうか.競争力は高福祉高負担と矛盾しないのだろうか.本稿は,フィンランドの福祉国家の社会政策が競争力の強化に寄与するしくみを,ソーシャル・イノベーションを通じて見ることを目的としている注1)

新しい福祉国家におけるソーシャルファームの位置付け

著者: 炭谷茂

ページ範囲:P.206 - P.210

■最近の日本の社会問題

 町を歩いているとホームレスの姿を見ることが多くなった.私の住む目黒区でもいつも小さな公園のベンチで所在なげに座っている60歳は過ぎたホームレスを見る.

 昨年(2009)9月27日,私は東京都新宿区で「地域福祉推進サロン」と称する会合を持った.新宿は,公園等にホームレスが多い.また,刑余者の社会復帰への援助を行っている更生保護施設斉修会もある.そこでホームレスや刑余者などの社会問題を解決するために住民主体の福祉活動をどのように展開したらよいか話し合う場を設けた.

【事例】

難病児の自然体験―そらぷちキッズキャンプ

著者: 公益財団法人そらぷちキッズキャンプ

ページ範囲:P.186 - P.187

■背景・目的

 日本には,小児がんなどの難病と闘っている子どもたちが約20万人いると言われている.国内には医療施設の整った難病児を受け入れることができる自然体験施設はなく,子どもたちは自然を体験する機会のないまま闘病生活を送っている.

 このような状況の中,そらぷちキッズキャンプは,豊かな緑と水に恵まれた雄大な土地が広がる北海道滝川市に,難病小児を主たる対象とする自然体験施設の運営に関する事業を行い,難病児とその家族の「QOL(生活の質)」の向上や心のケアに寄与することを目的としている.

笑いと癒し―ホスピタル・クラウン

著者: 大棟耕介

ページ範囲:P.188 - P.189

 2006年から行っているパッチ・アダムス氏とのロシア・ツアーから戻ってきて,本原稿を書いている.毎年,私たちNPO法人日本ホスピタル・クラウン協会(以下,協会)では,9月頃にウクライナ,ジトーミル州(チェルノブイリ原子力発電所事故の被災地)の子ども病院を訪問.11月のロシア・ツアーでは,モスクワとサンクトペテルブルグ合わせて2週間で,15ほどの小児病院と孤児院でパフォーマンスをしている.

難病児の遊びケア・おもちゃコンサルタント

著者: 多田千尋

ページ範囲:P.190 - P.191

 1988年に設立されたNPO法人日本グッド・トイ委員会は,優良玩具「グッド・トイ」の選考活動の実施と,おもちゃの専門家「おもちゃコンサルタント」の育成に努めている.当委員会は,全国に約4,000人のおもちゃコンサルタントとの共同作業で,新宿の廃校になった小学校を活用した「東京おもちゃ美術館」の運営を柱としながら,毎年「グッド・トイ」を選定し,その普及とおもちゃ文化向上の啓蒙活動を行っている.要するに「おもちゃコンサルタント」という「人」と「グッド・トイ」という「物」を最大限に活用した,社会的活動の展開を検討している団体である.

 その社会的な活動の大きな1つとして「難病児の遊びケアボランティア事業」を掲げることができる.2000年から都立清瀬小児病院で,おもちゃコンサルタントの遊びケアボランティア活動を実施し,2003年より国立成育医療センターでおもちゃライブラリーの管理・運営,2006年度より順天堂大学病院で,2007年度からは神奈川県立子ども医療センター,中川の郷療育センターで,遊びケアのボランティア活動を推進している.2010年度からは,千葉大学医学部附属病院での展開を検討している.

夢を与える音楽活動とその舞台裏

著者: 平井俊邦

ページ範囲:P.192 - P.193

 芸術性を追求する公益法人の経営たて直しのため,筆者は2007年専務理事に招聘された.永年の銀行業務,プラント会社再建,IT企業経営の経験に期待されたものであろう.夢を与える音楽活動は清々しいが,それを支える舞台裏・経営は泥沼に足を踏み入れた厳しさを実感させる.経営数値がそれを明確に示しているが,さらに大宗が芸術家集団である特性,事業性と公益性の問題等との向かい合い方も難しい.音楽活動を俯瞰し,舞台裏の経営改革を通し,これらの問題を考えてみたい.最後に医療分野が活動の柱となる期待を具体例から探り出したい.

ワンコイン健診の革命―医療系ソーシャルベンチャーの挑戦

著者: 川添高志

ページ範囲:P.194 - P.195

■予防医療の必要性を感じて始めた「ワンコイン健康診断」事業

 JR中野駅(東京都)近くにある「ワンコイン健診ショップケアプロ」.血液検査により「血糖値」「総コレステロール」「中性脂肪」の3項目それぞれを500円で検査する.指先または手の平からの自己採血をし,3分以内に検査結果を知ることができる(30分以内に,携帯サイトからも結果の確認が可能).

 私は看護師として病院に勤務する中で,「安価で気軽な健康診断システム」の必要性を感じた.生活習慣病予防の第一歩は,健康診断を受けることだが,フリーター,自営業者,主婦等,健診料が自己負担となる人は受けていないことも多い.長く健康診断を受けず,気付いた時には重度の糖尿病になっていることもある.病院で受ける健康診断には健康保険がきかない.会社に勤務していると定期的に健康診断を受けるが,自発的に健康診断を受けなければならないフリーター,自営業者,主婦等は,費用の高い健康診断を避け,忙しさの中で忘れてしまうことも多い.病気になることを防ぐため,身体の状態をセルフチェックすることが必要である.ケアプロの顧客は,病気になる一歩手前の人たちだ.

要介護高齢者や障害者の旅行支援

著者: 佐野恵一

ページ範囲:P.196 - P.197

 現在,介護保険制度は本人主体の介護へと変化を進めている.しかし,まだまだ本人主体の介護が十分に行われているとは言えない.その一例として,介護保険認定者の移動の問題が挙げられる.

 介護保険制度で認められている外出介助サービス(自己負担1割)は,食材や日用品の買い物に限定されている.散歩や図書館などへの外出は介護保険適用外である.通院は自宅と病院間の「行き」と「帰り」の部分に限定され,院内での介助は保険適用外である.介護保険では,個人の生きがいや余暇のための活動などは保障されない.しかし,外出などの余暇を充実させることにより,要介護度の進行が停止したり減退したりするのではないか.

障がい者雇用と経営の両立―スワンベーカリー&カフェ

著者: 海津歩

ページ範囲:P.198 - P.199

 スワンは,「クロネコヤマトの宅急便」の創業者である故・小倉昌男氏が「障がい者の自立と社会参加」を目的に設立した.主な業務は,ベーカリー&カフェの直営およびチェーン店の開店準備,パン製造技術研修やサポートである.1号店は1998年6月銀座にオープン.2009年11月現在,直営3店,フランチャイズ24店を全国に展開し,282人の障がい者が就労している.

 私は,2005年小倉氏の急逝後に,スワン代表に着任した.1985年にアルバイトからヤマト運輸に入社し,サービス第一の顧客満足経営を徹底的に学んだ.スワンは障がい者の会社だが,ヤマトの支店長・マネジャーとして行ってきた経営・労務管理手法を活かして経営している.

食を通じた国際貢献―TABLE FOR TWOに参加して

著者: 小川弘孝

ページ範囲:P.200 - P.201

 (医)白十字会佐世保中央病院(以下当院)は長崎県佐世保市にある地域医療支援病院,日本医療機能評価機構(Ver.5)認定病院,臨床研修指定病院などの認定を受けている312床の一般病院である.

 白十字会では2008年度よりCorporate Social Responsibility(CSR:企業における社会的責任)に取り組み,その一環の社会貢献事業として2008年10月よりTABLE FOR TWO(TFT)に参加している.2009年3月からは福岡市にある関連の白十字病院も同プログラムに参加している.

 今回はTFTの概要と当院での具体的な取り組みについて紹介する.

グラフ

医療・福祉におけるソーシャル・ビジネス事例

著者: 広井良典

ページ範囲:P.161 - P.165

 本号は「ソーシャル・ビジネス」が特集テーマであるが,テーマが新しい性格のものであることもあって,それに関する時代背景や動向についてのマクロ的な解説とともに,医療・福祉分野での具体的な事例を比較的多く紹介することとした.やや主観的な感想になってしまうことをお許しいただければ,個々の実践例についてのそれぞれの当事者の方々からの文章は,いわばその“情熱”や“夢”とも呼ぶべきものが伝わってくるような,きわめて印象深い内容となっており,閉塞感ということが指摘されて久しい日本社会において,確実に「新しい風」が吹き始めているという,ある種の希望を感じさせてくれるメッセージともなっている.

 こうした事例については,それぞれの具体的内容それ自体が価値あるものであり,それに解説めいた総括を行うことは困難な面があるが,事例の全体を通して浮かび上がってくる視点や課題として,次のような点があると考えられる.

連載 デザインの力・3

情報の整理

著者: 山本百合子

ページ範囲:P.166 - P.167

 デザインの最も重要な要素は,色でも形でもない.情報だ.それがどう,合理的に整理できるかということ,その作業そのものが,意匠/デザインである.すべての要素,全部を目立たせてほしいという要求は,時としてすべてを目立たなくしてしまう.本当に訴求したいものは何なのか.それをどう,分析できるかが鍵だ.

医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・43

転院後の継続支援を可能にする「MSW連携シート」

著者: 浜中美保子 ,   阿比留典子

ページ範囲:P.213 - P.217

 今日の医療の形態は一定範囲を超えると転院となり,患者側にとっては治療に対する不安だけでなく環境も変わり,さらなるストレスを抱えることとなる.この医療情勢の中,福岡市近郊のMSWらは,ソーシャルワークのツールとして「MSW連携シート」を考案した.これは,患者が病院を変わっても安心して療養生活を送れることを目的としている.本シートはあたかも1人のMSWが支援するがごとく実践の継続性を可能とするものである.

 今回,身寄りのない独居患者の転院事例を通して,「MSW連携シート」が急性期病院MSW・連携病院MSW・患者の立場からどのように役立っているかを報告する.

より良い高齢者終末期ケア体制の構築に向けて・3

米国の高齢者終末期ケアの動向②―高齢者居住系施設入居者とホスピス給付

著者: 岡村世里奈

ページ範囲:P.219 - P.222

 前回紹介したとおり,米国では,近年,メディケアのホスピス給付を利用して亡くなる高齢者の数が急速に増えてきている.中でも,特に増えているのが,ナーシングホーム等の高齢者居住系施設で生活している入居者が,このホスピス給付を利用して施設内で亡くなるというケースである.米国連邦保健福祉省監察総監局(Office of Inspector General, Department of Health and Human Services)の調査によれば,2006年度にホスピス給付を受けた受給者のうち,ナーシングホーム等の高齢者居住系施設で生活していた者は全体の31%にも達していたという注1)

 実際,筆者は,この何年間かかけて米国(イリノイ州)の中でも特に評判の高い高齢者居住系施設を15施設近く見てきたが,それらの施設の多くは,必ずと言っていいほど提携しているホスピス事業者があり,そのホスピス事業者と協力しながら施設内での看取りを行っていた注2).そして,これらの施設の関係者に話を聞くと,皆,「ホスピス事業者の協力なしに入居者の看取りを行うことは,体制の面からも質の面からも難しい」と口を揃えて言う.

病院管理フォーラム ■DPCを軸とした病院の経営管理・10【最終回】

コストを含めたDPC分析③―コスト構造が明らかになると,何が変わるか

著者: 高橋泰

ページ範囲:P.224 - P.225

●患者別の収支が明らかになると,どのような変化が起きるか

 先月号では,患者別収支計算ソフトを用いれば,これまでのような大きな努力を払わず,患者別や疾患別の収支を入手できるようになり,今後急速に普及していくという予測を紹介した.このソフトを用いれば,「今回のAさんの肺がんの化学療法の入院は5万円の黒字,Bさんの肺炎の入院は3万円の赤字」というような各入院患者個別の利益,あるいは損益を把握できるようになる.本連載の最終回である今回は,患者別や疾患別の収益が明らかになると,医療はどのように変わっていくかを考えてみたい.

鉄郎おじさんの町から病院や医療を見つめたら…・30

―男の料理教室 ちょっくらつまみ食い(3)―病が食生活を見直させる

著者: 鉄郎

ページ範囲:P.226 - P.227

 がん末期で食べ物がのどを通らなかった妻.彼女とセカンドオピニオンに行った帰り道,あるレストランに入ったら,食べられないはずの患者がスパゲティを一皿たいらげた.その時,料理教室を始める運命が決まったのかもしれない.

『食べるとは練習である』

 上の小見出しは料理評論家「いのちのスープ」で知られる辰巳芳子さんのことば.

 「練習」というのは,いったいどういう意味であろうか.

 まず,食材そのものの味を知る練習がある.

アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第182回

朝倉医師会病院

著者: 吉村利美

ページ範囲:P.228 - P.232

■構想

 本施設の構想は,甘木朝倉医師会病院と県から民間移譲を受けた福岡県立消化器医療センター朝倉病院を合併し,300床の急性期病院として朝倉医師会病院を整備することであった.医師会病院としての特色は,地域医療機関(かかりつけ医)と濃密な連携を図り,患者への継続した医療を目指し,地域医療支援病院として,救急医療・僻地医療に貢献することである.さらに,開業医師および医療従事者に臨床研修・生涯研修の場を提供し,医学の研究発表に寄与することを展開してゆくことである.旧甘木朝倉医師会病院の敷地内で,既存病院の診療・入院を継続しながら,工事を行う計画であった.

【復刻版】眼でみる病院の設備とはたらき・3

完全看護(前編)

ページ範囲:P.234 - P.235

 入院した患者の看護は家族や素人の附添婦にまかせないで,医学に基く科学的な看護を病院が責任を持って完全に行わなければならない.

 完全看護とは病院の看護婦が主治医から託された入院患者の身のまわりの世話を一切引きうけ,絶えず病状,経過を観察し,医師のたてた方針に従って手当をし,又療養についての教導をする役目を十分にはたし,患者の健康回復を促進することである.

リレーエッセイ 医療の現場から

遺言書と生前三点契約書のすすめ

著者: 本田桂子

ページ範囲:P.239 - P.239

 私が初めて自分の遺言書を作ったのは,35歳の時だ.結婚後なかなか子どもを授からず,あきらめかけていた.子どものいない夫婦の一方に万一のことが起きると,配偶者以外に親(親がいない時は兄弟姉妹)も相続人になることは広く知られている.もし私に何かあった時,夫が預貯金やマイホームの共有持分の名義変更のために,私の親兄弟に気を遣うのは気の毒だと考えた.もちろん私も,夫の親兄弟にいちいちお伺いを立てるのは避けたいので,夫にも遺言書を作ってもらった.

 その後2年たち,幸運にも子どもを授かった.では遺言書はもう不要になったかといえばそうではなく,妊娠8か月の時に遺言書を作り直した.もし子どもが小さいうちに親が亡くなると,子どもは遺産わけに参加できず,家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう手間がかかる.また,相続手続きが面倒なのは子どもが生まれても変わらないからだ.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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